84歳の喬徳位さんは、ホテルの1室で、黒い礼服に身を包んだ。妻の劉世秀さんには、白いウェディングドレスを着せた。劉さんは足が弱ってしまって、もう歩けない。喬さんは劉さんの車いすを押した。もう夜だ。しばらく歩いて、喬さんは今出てきたホテルの高層ビルを指差した。すると、ビルの外壁一面に「アイ・ラブ・ユー」のローマ字と絵文字が浮き上がった。

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 84歳の喬徳位さんは、ホテルの1室で、黒い礼服に身を包んだ。妻の劉世秀さんには、白いウェディングドレスを着せた。劉さんは足が弱ってしまって、もう歩けない。喬さんは劉さんの車いすを押した。もう夜だ。しばらく歩いて、喬さんは今出てきたホテルの高層ビルを指差した。すると、ビルの外壁一面に「アイ・ラブ・ユー」のローマ字と絵文字が浮き上がった。

 場所は、浙江省杭州市内のホテル。高さ218メートルのホテルの外壁いっぱいに、上から「I」の文字、「ハートマーク」、「You」の文字が明るく浮き上がった。

 喬さんによると、2人は結婚式をすることもできなかった。ロマンチックな思い出もない。結婚してから67年も経つのに、妻の劉さんに「愛しているよ」と言った記憶もない。そこで、今年(2016年)のバレンタイン・デーには、妻に対して自分の気持ちを示そうと思った。

 しかし、どうすればよいのだろう。アテはない。喬さんは困ってしまった。孫に「困ったものだ」とこぼした。孫は、杭州市内のホテルで仕事をする知人に相談した。そうすると、従業員などホテル関係者が「おじいちゃんに協力しよう!」、「ダイヤモンド婚(結婚60年)を過ぎた2人に、結婚式をプレゼントしよう!」と盛り上がった。

 「アイ・ラブ・ユー」を見届けて、喬さんは身をかがめて、車いすの劉さんと、口づけを交わした。

 喬さんは劉さんに改めて「愛しているよ!」とはっきりと言い、「初めてウェディングドレスを着てもらったね。(結婚してから)半世紀以上をまたいでしまったウェディングドレスだけど、君は今でも、ボクの世界で一番きれいな花嫁さんだよ」と、改めて告白した。

 ホテルの従業員など大勢が、喬さんと劉さんを取り囲んで見守っていた。感動して涙ぐむ人もいた。

 同話題は地元紙の銭江晩報が15日付で伝え、新浪網といった大手ポータルサイトなども、次々に転載した。(編集担当:如月隼人)(写真は新浪網の15日付報道の画面キャプチャー)