6日に台湾南部で発生した大きな地震では、手抜き工事による耐震性の低いビルが倒壊して多くの命が奪われた。台湾メディア・中国時報電子版は13日、同じ地震多発地域である日本が大きな震災のたびに建築基準を見直してきたことなどを伝える記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 6日に台湾南部で発生した大きな地震では、手抜き工事による耐震性の低いビルが倒壊して多くの命が奪われた。台湾メディア・中国時報電子版は13日、同じ地震多発地域である日本が大きな震災のたびに建築基準を見直してきたことなどを伝える記事を掲載した。

 記事は、今回の地震で倒壊したビルのように「構造の安全性を顧みずに勝手に壁を撤去するなど、日本では実に想像し難い話だ」としたうえで、日本では毎回の震災による痛ましい教訓からそのたびに建築法規を改正、さらに「敬服させられる」ことに、国、地方、企業、住民が高い防災意識を持っていると説明した。

 そして、関東大震災後の1924年に世界に先駆けて「建築物基準法」で耐震基準を定め、78年の宮城県沖地震後の81年には耐震基準を強化、さらに95年の阪神淡路大震災後には古い建築物が数多く倒壊した教訓を生かして「耐震改修促進法」が制定され、東日本大震災後の2014年には安全性を高めるための改正法が施行されたと紹介した。

 また、集合住宅においては居住者が毎月管理費や修繕積立金を払うことで、定期的に外壁の修繕、水回りの点検・補修、消防設備検査が実施されると説明。「これも、多くの古い住宅がきれいな外観を保つとともに、『3・11』の大地震でも倒壊しなかった理由の1つなのだ」としている。

 1999年に台湾中部で発生した大地震では、倒壊した建物の構造部から一斗缶が見つかるという手抜き工事が発覚して衝撃を与えた。この時よりもエネルギーの小さい今回の地震でもやはり手抜き工事が疑われたということは、17年の間に建物の耐震性に関する進歩があったのかとの疑問が出ても文句は言えないだろう。

 地震の圧倒的なエネルギーに人類が抗うのは大きな困難を伴う。しかし、被害を最小限にとどめ、少なくとも「人災」との指摘が出るような被害が発生しないような努力は、日ごろから行わなければならない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)