ここ数年、中国の書店では大衆向けの歴史本の人気が高まっているが、中国メディアの今日頭条はこのほど、日本と中国それぞれの歴史の専門家が書いた歴史本について取り上げている。(イメージ写真提供:123RF)

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 ここ数年、中国の書店では大衆向けの歴史本の人気が高まっているが、中国メディアの今日頭条はこのほど、日本と中国それぞれの歴史の専門家が書いた歴史本について取り上げている。

 日本と同じように、中国でもテレビや映画で歴史ドラマが放送・上映されており、ここ数年の大衆向け歴史本の人気と相まって「歴史ブーム」が中国に到来していると記事は紹介している。しかし、興味深く語られる歴史が史実に基づいていない場合もあるようだ。中国の著名な歴史専門家たちがこのほど、大衆向けの歴史本を制作・発行した。同書籍は「中国通史」と題して全5巻で構成され、華夏出版社と安徽教育出版社の共同出版だ。中国のすべての重要な歴史家が制作に参加しているため、「史実性」は折り紙付きだという。

 記事は、歴史専門家は史実性を重視するあまり、一般の読者の興味をそいでしまうという傾向もあるとしながらも、今回発行された「中国通史」は歴史の細部を生き生きと描写していて読者に「臨場感」を与えることができると説明。しかしこのように歴史専門家たちが一般の読者を引き込むことのできる歴史本を制作することは、実は日本のお家芸であると指摘している。

 その一例として記事は、日本の著名な歴史専門家たちが制作した「中国の歴史」という本を紹介、日本版は全12巻、中国語訳は全10巻で構成される同書籍について「各巻それぞれが作者たちの強烈で個性的な卓見を感じさせる出来栄え」と説明。

 この「中国の歴史」の中国語訳は日本人が書いた中国史であるにも関わらず、中国で大変好調な売れ行きだったことで、極めて異例な出来事として話題になった。記事が指摘している点だが、例えば遼、西夏、金、元の時代を扱った第8巻には歴史家たちが一般的に描く「野蛮な征服者」の描写はなく、むしろ11世紀の後の中国に多民族、多宗教、農業と遊牧の融合した多元帝国時代をもたらしたと描写している。このように歴史の鋭い「大局観」が反映されている点が民族の違いを超えて中国の読者を引き付けたようだ。

 歴史の面白味の1つは、その史実が現在の自分が生きている世界とつながっている点にある。歴史の中で生じたある事件の結果が現在の世界を形作る要因となっており、当時の人びとの考えたこと、感じたことや信念などが現在自分が生きている世界を形成しているということだ。壮大な歴史と自分とをつなぐ質の良い歴史本には非常に大きな価値がある。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)