韓国政府が北朝鮮の開城(ケソン)工業団地での活動を全面中断して撤退したことを受け、北朝鮮は11日、韓国の関係者全員追放し、同団地を軍事統制区域にすると宣言した。中国版ツイッターの微博(ウェイボー)では同話題について、金正恩(キム・ジョンウン)第一書記を、「殷の亡国の王」である紂王に例えるコメントが、極めて多くの「いいね」を集めた。(写真は新浪微博の12日付報道の画面キャプチャー)

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 韓国政府が北朝鮮の開城(ケソン)工業団地での活動を全面中断して撤退したことを受け、北朝鮮は11日、韓国の関係者全員追放し、同団地を軍事統制区域にすると宣言した。中国版ツイッターの微博(ウェイボー)では同話題について、金正恩(キム・ジョンウン)第一書記を、「殷の亡国の王」である紂王に例えるコメントが、極めて多くの「いいね」を集めた。

 中国のインターネット・ユーザーの間では、北朝鮮に対する反発やいら立ちが、これまで以上に強まっている。かつては、「小国でありながら自らの意志を貫いて米国に対抗」していることに共感する人もかなり多かったが、現在では「いいね」を多く集めるのは、北朝鮮に批判的な意見だ。

 開場工業団地を巡る動きについて寄せられたコメントで「いいね」が最も多いのは「中国共産党がさらに、紂が民をしいたげるのを助けるようだったら、納税者は納得しないぞ」だ。

 紂とは古代の殷(商)王朝の最後の王。紀元前1100年ごろの人物で、贅沢にふけり、いさめるものを残虐に殺したとされる。「酒池肉林」との成語も、紂が主宰した贅沢な宴会の様子の記述が語源だ。実際には有能な人物だったとの説が強まりつつあるが、中国人の一般的理解では、「贅沢にふけり、人民を虐げ、国を滅ぼした暗愚は支配者」だ。

 上記コメントでは、北朝鮮を支援する自国共産党にも強い批判が向けられていることが特徴だ。

 中国の知識人の間では1990年代には、自国が北朝鮮と密接な関係を続けることの「リスク」を指摘する声があった。中国がカンボジアのポル・ポト政権(クメール・ルージュ)を支援し続けたため、ポル・ポト政権の自国民大量虐殺が明らかになった際、中国外交に対する信頼が低落したと指摘し、「北朝鮮支援も同様の結末になる可能性がある」との指摘もあった。

 中国の一般人の間では、米国に対する対抗意識も強いことから、北朝鮮に好感と反感の両方の世論があった。もっとも、北朝鮮当局の国内統治を評価する人はほとんど見当たらず、「外交戦略上、北朝鮮を応援したい」との見方だった。

 中国国民の多くは自国内での報道を通じて、中国政府が北朝鮮に強く自制を求めてきたと認識している。にもかかわらず、今年(2016年)になってから北朝鮮が核実験とミサイル/ロケット発射をたてつづけに強行したことで、中国世論の対北朝鮮観は、過去に例を見ない「最も冷え切った状態」になったと言ってよい。(編集担当:如月隼人)(写真は新浪微博の12日付報道の画面キャプチャー)