泣けば泣くほど、そっぽ向かれる悲しさよ(イラスト・サカタルージ)

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涙はオンナの武器!とばかりに、男性の前でシクシクとすぐ泣く女性がいる。でもソレ、実はオトコを萎えさせているのだ。

男性を惹きつけたければ、泣く真似はしても涙を流さないのが恋のウラワザとか。

性欲を衰えさせる「恋愛ストップ」成分

女性の涙のにおいをかいだ男性は、涙の中に含まれる揮発性の成分の影響を受け、性欲が衰えてドン引きするという研究がある。2011年にイスラエルのワイツマン科学研究所のノアル・ソベル博士が、ユニークな実験でそれを証明した。ソベル博士は、涙もろい女性2人に父子の絆を描いたボクシング映画「チャンプ」を見させ、最後に少年が父をみとるシーンで存分に泣いてもらった。

2人の涙を採取して、23〜32歳の若い男性24人に10回深呼吸しながら、たっぷりにおいをかいでもらった。そして、対照のために食塩水のにおいをかがせた別の男性たちと心拍数、皮膚温度、男性ホルモン(テストテスロン)濃度を比較した。涙には香水や化粧品のにおいが付着するので、条件を一致させるために食塩水も女性の顔の上を流す念の入れようだ。

この後、両グループの男性に、2人の女性の写真を見せ、「魅力度」を評価してもらうと、涙をかいだ男性たちは、明らかに低い評価を示した。また、涙をかいだ男性たちは心拍数、皮膚温度、テストテスロン濃度のすべてが下がったという。女性に対する興味が薄れたのだ。

さらに、両グループにエロティックな映像を見せ、磁気共鳴画像検査(MRI)を使い、性的情報をつかさどる脳の視床下部の反応を調べた。すると、涙をかいだ男性たちは、通常より反応が弱くなった。萎えてしまったのだ。

いったい、どんな成分が男性にソノ気を失わせたかは不明だが、ソベル博士は「女性はよく月経期間中に涙を流しやすくなります。涙が進化の過程で生殖の情報を伝える手段として発達したと考えられます。ちょうど妊娠する可能性が低い期間なので、性交の機会を減らすことになり、実に理にかなっているのです」と語っている。

つまり、涙は本来、女性からの「恋愛ストップ!」のサインだったわけだ。だから、男性をソノ気にさせる点ではむしろマイナスだが、男性の攻撃性を衰えさせことは確かなので、よく見られる「お涙ポロポロ会見」にはマスコミ攻勢を緩める効果は期待できるかもしれない。

実は「涙はオトコの武器」だった!?

では、「オトコの涙」はどうなのだろうか。こちらは何と女性をソノ気にさせる効果があることが、東京大学の東原和成教授らの研究でわかっている。ただし、マウスの実験である。オスの涙には「ESP1」という性フェロモンが含まれ、オスがメスを毛繕いしながら涙をまき散らすとメスが興奮して、涙を流さない場合に比べ、3倍の確率で交尾を受け入れる。

ネズミの世界では「涙はオトコの武器」だったわけだ。残念なことに、人間の遺伝子には、ESP1フェロモンを受け入れる仕組みがないので、いくら男性が「号泣会見」をしてみたところで性的魅力はアップしないという。