議員辞職を表明し、沈痛な面持ちの宮崎謙介議員(2016年2月12日撮影)

写真拡大

女性タレントとの不倫疑惑を週刊誌に報じられた自民党の宮崎謙介衆院議員が、議員辞職を表明した。夫人が出産で大変な時期に別の女性と浮気していたとなれば、同情の余地はないだろう。

有名人の不倫疑惑と言えば、人気バンド「ゲスの極み乙女。」ボーカルの川谷絵音さんと、タレントのベッキーさんの騒動が記憶に新しい。川谷さんは妻帯者だ。地位を築き、世間に知られる有名男性がなぜ浮気に走るのだろうか。

特定の遺伝子を持つ男性は配偶者への愛情低い

宮崎議員は、妻が出産した際に自らが育児休暇を取得する意思を示して話題となった。その陰では女性タレントと3回会い、最後は自ら誘ったと2016年2月12日の会見で明かした。女性との関係も「なかったとは言わない」との趣旨で認めている。軽率な行動の末に議員バッチも有権者の信用も失った格好だ。

人はなぜ浮気をするのか――。諸説あるなかで2008年、スウェーデンのカロリンスカ研究所がある研究成果を発表した。この研究所には、ノーベル医学・生理学賞の選考委員会が設置されており、世界でトップレベルの医科大学だ。2008年9月1日付の英紙「デイリーテレグラフ」によると、研究では550組の双子とその配偶者のデータを分析し、人同士の絆や愛情に重要な「バソプレッシン」というホルモン物質に反応するタンパク質に注目した。そこから、男性の中で「334」という型の遺伝子を持つ場合、配偶者に対する愛情計測の際にスコアが低く、結婚している割合も少なかったという。

「バソプレッシン」自体については、脳科学者の中野信子氏が「幻冬舎plus」2014年5月30日付の記事の中で「セックスの最中の男性の脳内で分泌され、相手女性に対する愛着を形成することが知られています」と解説している。記事中、対談相手のAV監督・二村ヒトシ氏から、バソブレッシンの分泌が少ない男性が浮気性になるかを問われて、

「ごく簡単に言えば、そうですね。エルサレムのヘブライ大学による研究によれば、脳のある部分にバソプレ(ッ)シンの受容体が少ない男性は、女性に対して無慈悲な行動を取る傾向にあることが指摘されています」

と答えている。

初対面の女性からベッドの誘いに男性の4人に3人は...

心理学の観点から、「なぜ人は浮気をするのか」を論じた内容が、日本心理学会のウェブサイトに掲載されていた。立正大学心理学部の齊藤勇教授が、学会誌「心理学ワールド」2008年1月15日号で回答したものだ。米国の社会心理学者、エレーヌ・ハットフィールドが著書「恋愛心理学」で「恋心は、もって半年だ」と書いていることに触れ、「恋心は移り気で、浮気心は誰にでも生じるものだといえそうです」としている。

ただし、男女間では違いがあるようだ。齊藤教授は、ハットフィールドと同僚の研究者、ラッセル・クラークが行った実験を引き合いに出した。大学キャンパスを歩いている男性に女子学生を近づけて誘うよう仕向けた。「今晩ベッドをともにしない?」との誘惑に乗った男性は、なんと75%に上ったのだ。逆に女子学生に対して男子学生に口説かせた実験では、誘いに「イエス」と答えた人は誰もいなかったという。「男性の場合、セックスの誘いにのりやすいことを示しています」と齋藤教授は書いている。

ただし女性の場合、ベッドはともにしないまでも「デートの誘い」には半数以上が応じたという。これらの女性に彼氏がいたら、「浮気心あり」ととられても仕方がない。

理屈では身の破滅を招くと分かっていながら、浮気や不倫に身を投じる。その理由や背景は人それぞれで、ひと言で結論づけられるほど単純ではないだろう。確かなのは、事実が明るみに出たら最後、これまで積み上げてきたものが一瞬で崩れ去るということだ。もちろん、こうした行為自体も許されるものではない。