モテ車を解説する「週刊ポスト」連載の「死ぬまで カーマニア宣言!」。これまでにクルマを約40台買ってきたフリーライター・清水草一氏(54)が、中古車人気ベスト3のなかから美女人気が高いのはどれかを解説する。

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 ご同輩諸君。皆さんは新車派だろうか中古車派だろうか。周囲を見ると、新車派は「中古車なんか怖くて」と言い、中古車派は「新車なんて高くて馬鹿らしい」と言う。

 私はこれまで新車12台、中古車31台を乗り継いで来たので、どちらかというと中古車派に属する。中古車の魅力はなんと言ってもその安さにある。なにせ日本車の信頼性は世界一。中古ガイシャとなると多少バクチだが、国産中古車をディーラー系の販売店で買えば、不安などあるはずがない。食わず嫌い派も一度体験してみることをオススメする。

 ところで、中古車情報大手のカーセンサー(リクルート)は、毎年「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」を発表している。これは単に数が多く売れた中古車ではなく、ユーザーの購入意欲の高さ(販売店への問い合わせ総数)など、反響が大きかったモデルを選ぶもの。つまり「熱い視線を集めた中古車大賞」とでも言おうか。昨年の上位3台は以下の通りだった。

1位:マツダRX-8
2位:マツダ・CX-5
3位:スバル・レガシィツーリングワゴン(4代目つまり先々代)

 なんとマツダがワン・ツーフィニッシュ。3位のスバルと併せ、マニア度の高いメーカーが上位を占めた。これらの車種が、目の肥えた中古車マニアがオススメする中古車だと言ってもいい。

 1位のRX-8は、マツダ自慢のロータリーエンジンを搭載した最後のモデル。スポーツカーでありながら、観音開きのリヤドアを持ち、大人4人が乗れる居住性をなんとか確保した非常にユニークな存在だ。すでに4年前に生産中止となっているが、人間、もう買えないとなると逆に欲しくなるもの。そのあたりも熱を高める要因だろう。中古車価格はピンキリだが、平均すれば100万円を切っている。

 ところでこのRX-8、実際はどんな感じか? 運転して最も感動するのは、そのハンドリングのすばらしさだ。コンパクトなロータリーエンジンを思い切り車体中央寄りに搭載したことで、驚くほど軽快に曲がる。デザインもユニークでカッコよく、今でも古さを感じさせない。

 ただ、ロータリーエンジンの方は、低い回転での反応が悪く、それほどパワフルでもない。なにより困るのは燃費の悪さだ。平均してリッター6km走れば御の字である。燃費ではフェラーリと勝負しても僅差。スポーツカーは概して美女ウケも悪いので、マニア以外にはちょっとオススメできない。

 一方、第2位のCX-5は、マツダ自慢のクリーンディーゼルエンジンが最大のウリだ。こちらはロータリーとは逆に、低速から仰天するほどパワフルで、音も振動もガソリン車並み。燃費は平均してリッター14km前後も走る。安い軽油でこれだけ走れば、燃料代でプリウスとも勝負できる。頼もしく見えるSUVだけに、美女ウケの良さも間違いない。

 弱点は横幅が1840mmもあって、取り回しが今ひとつなことだが、美女はクルマもナニもデカい方が喜ぶ。ここは我慢のしどころだろう。

 3位の先々代レガシィは、「最後のコンパクトサイズのレガシィ」ということで、未だにスバルファンからの支持が熱い。レガシィは先代から北米向けになり、非常に大きくなってしまったのだ。日本で乗るならこの先々代くらいが最適。デザインもシンプルで美しく、苦み走った男の魅力にあふれている。平均価格は100万円を切っている。

 この3台の中で、我々が目指す「美女としっぽり温泉ドライブ」に最も近いのは、断然CX-5だろう。CX-5にはガソリン車もあるが、オススメはなんといってもクリーンディーゼルモデルだ。人気中古車だけに相場は高めで、3年落ちで220万円前後が中心価格帯だが、新車なら283万〜349万円。それを考えればやはり中古車は安い。ディーゼルは概して値落ちが小さいから、売る時も高価買取りが期待できるだろう。

※週刊ポスト2016年2月19日号