中国メディアの参考消息によると、中国企業の大連万達集団が、2014年夏に2億6500万ユーロ(当時の為替レートで約356億円)で買収した。スペイン・マドリードに建つ高層ビルの「エディフィシオ・エスパーニャ(スペイン・ビルディング)」を売却する方針だ。現地当局が求めた景観の保存が、技術的に不可能と判断したことが主な理由という。(写真は参考消息の7日付報道の画面キャプチャー)

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 中国メディアの参考消息によると、中国企業の大連万達集団が、2014年夏に2億6500万ユーロ(当時の為替レートで約356億円)で買収した。スペイン・マドリードに建つ高層ビルの「エディフィシオ・エスパーニャ(スペイン・ビルディング)」を売却する方針だ。改修にあたって現地当局が求めた景観の保存が、技術的に不可能と判断したことが主な理由という。

 エディフィシオ・エスパーニャは1953年の完成で、地上26階・高さ117メートルだ。ネオバロック様式の設計で、歴史を感じさせる風格にあふれ、マドリードのシンボルの1つとして親しまれてきた。

 万達集団は同ビルを商業施設と高級ホテルが入居する多目的ビルに改装しようと考えた。しかし、マドリード地区歴史遺産委員会はビルの大部分の壁の外観について、現状を保つよう要求。大連万達集団は「技術的に不可能」と判断したという。

 万達集団は歴史委員会に、現在の建物を撤去し、同じ材料を使い、同じ外観・同じ大きさのビルを改めて建てることを同委に提案したが、拒絶されたという。

 マドリード市政府関係者は、万達集団はエディフィシオ・エスパーニャを買収する際に、同建物が「歴史性と芸術性」を理由に保護対象されており、撤去が認めないことを明らかに知っていたはずだと、不満を述べた。

 マドリード州(自治州)の高官からは、万達集団が撤退を決めたことで、マドリードへの進出を考える投資家に対してよくないメッセージを出すことになると、「不快」の声が出た。市政府関係者は、最後の最後まで引きとめの努力をするので、万達集団がマドリードでの事業を継続する可能性が皆無ではないと述べたという。

 大連万達集団は中国のコングロマリット。1988年に遼寧省大連市で不動産・不動産開発会社として設立されたが、現在の本社は北京市。中国各地の映画館を買収した上で、2012年には映画の製作・配給事業に乗り出すなどの動きもあった。(編集担当:如月隼人)(写真は参考消息の7日付報道の画面キャプチャー)