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コーヒー派、紅茶派、はたまた緑茶派など、好みは人それぞれではありますが、作業のお供にコーヒー・お茶のたぐいが欠かせないクリエイターも多いのでは? 日常に根付いた飲み物なだけに、「今日飲んだコーヒー/お茶の数」を覚えていない人も多いかもしれません。

この連載では、忙殺され身体を酷使しがちなクリエイターが「健康的に創り"続ける"」ための知識を公開。敷居が高いイメージになってしまった「健康」を広く手の届くものにすべく活動されている鍼灸師・若林理砂さんが、忙しいクリエイターにもできる「健康への第一歩」につながるエピソードを語ります。

第7回は、クリエイターの創作の潤滑油・「コーヒー/お茶」の"ちょうどいい"飲み方について、若林さん自身のケースを聞きながら考えていきましょう。

若林理砂
1976年生まれ。鍼灸師・アシル治療室院長。高校卒業後に、鍼灸免許を取得し、エステサロンの併設鍼灸院で、技術を磨く。早稲田大学第二文学部卒。2004年、アシル治療室開院。著書に「養生サバイバル」「安心のペットボトル温灸」など。好きな漫画/アニメは「進撃の巨人」「FSS」「おそ松さん」。一昔前は腐っていました。「どの宮崎アニメにも必ず出演している」顔立ちといわれています。夫はクーロンズ・ゲートの人。TwitterID:@asilliza ☆

我が家の朝は、ちょっと変わっています。フレンチプレスのコーヒーと、アールグレイの紅茶、それにたっぷりの牛乳をそれぞれドン!ドン!ドドン!と食卓に並べ、まずそれから口にするのですよ。そのくらいカフェイン飲料が大好きなのです。小学校一年生の息子と1歳の娘は牛乳を、私と夫はなんとコーヒーもアールグレイの紅茶を一杯ずつカップに入れて、どちらにも牛乳を1:1の割合で入れて飲むのです。珍しい光景でしょ?

「中枢神経系を麻痺させるから毒だ!」とばかりにカフェインを敵視する向きもあり、そこから「コーヒー」や「お茶」は"健康を害する飲料"と見る考え方があります。そうかと思えば、「健康の万能飲料」として持ち上げられることが多いのも事実。結局どっちなんだよ?とツッコミを入れたことのある人もいるかもしれません。

今回は、健康情報にたびたび登場する身近な飲み物「コーヒー・お茶」との上手なつきあい方についてお話してみます。

○「コーヒーは寝られなくなる」を見つめ直す

さて、カフェインというと、コーヒーだけがやり玉にあげられがちですが、紅茶・煎茶・抹茶・ほうじ茶・番茶・玉露・ウーロン茶など、チャノキの葉を使った飲料には必ず含まれています。しかし、「コーヒーを飲むと眠れなくなる!」と感じている方は多いかもしれません。

その中でも、「コーヒーはだめだけど、茶系飲料や、チョコレートはたくさん飲食してもなんともないよ」という人もいらっしゃるかと思います。玉露のカフェイン含有率は大変高く、コーヒーを飲んで眠れなくなる体質の方は、上等なお茶にも注意が必要。また、前回のチョコレートに関する話に書いた通り、ココアやチョコレートにもカフェインは含まれていますので、これらも本来なら気を付けなければならないところです。

「コーヒーは駄目だけどお茶はOK」という人は、カフェインではなく、コーヒーに含まれるなんらか別の成分に反応しているのかもしれません。そうでなくても、「コーヒーは体に悪い、不眠になる」という情報が頭に焼き付いていて、体が過剰反応している可能性もあるのです。病は気からと言いますが、こんな体質みたいなものにも影響したりしますよ。

○1日のコーヒー摂取「限度」

コーヒーも、チャノキの葉も、今は嗜好品として広く使われていますが、どちらも眠気覚ましや強壮剤として使われてきた歴史があります。チャノキの葉に関しては、古くは『茶経』という作成方法や効果効能を書き記した書籍も存在しており、この書物ごと日本へ輸入されて、日本はお茶文化圏になりました。コーヒーも、歴史をさかのぼるとその「効果・効能」を当時の高名な医学者が書物に書き記しており、どちらも薬としての扱いだったようです。

エナジードリンクについての記事に書いた通り、カフェイン入り飲料の過剰摂取はよろしくありません。コーヒー100mlあたりのカフェイン含有量が60咾如一日のカフェイン摂取量の上限が400咫ブラックコーヒーでは約670mlが上限ですね。オフィスのコーヒーサーバー用プラカップは200ml入るものが主流なので、それで換算すると、3杯ちょっとで上限に達することになります。

冒頭の話に戻りますが、私が牛乳を入れてコーヒーを飲むのはこれが理由です。1日の摂取上限の中で何杯も味わいたいから、執筆のお供はカフェオレ。杯数を飲みたい方は、牛乳やスキムミルク、豆乳などを入れてかさ増しして飲むことをおすすめします。そうすることで胃腸に与えるダメージも減らせますし、カルシウムやその他の栄養素も摂れますしね。

また、ブラック派の方は、薄く淹れて「アメリカン」を飲むようにしてみると杯数が稼げますし、最近はスーパーなどでもデカフェ(カフェインレス)のコーヒーが手軽に手に入りますので、一部取り入れて飲んでみると、体に負担が少なくなります。

○よい睡眠のためのカフェイン摂取のリミットは?

余談ですが、私自身はカフェインに対する耐性が高い体質の持ち主なのでしょう。子供の頃はおばあちゃん子だったため、煎茶をがぶがぶ飲んだり、お抹茶をたててもらったりとカフェイン飲料を多く飲んではいましたが、それで眠れないということは一切ありませんでした。やはりカフェイン耐性はかなり個人差があると感じます。

私とは反対にカフェインに強く反応するタイプの方は、一般的な就寝時刻(23:00〜0:00)に眠りたければ、14時以降にカフェインの摂取を控えると、眠りが浅くならずに済む方が多いようです。たとえ自覚はなくても、カフェインの影響で睡眠障害を起こしている方はいらっしゃいます。眠りが浅くて困っている方で、コーヒーや茶系飲料をがぶ飲みするのが常態化している方は、一度飲むのをやめてみてください。

また、睡眠を妨げる働きを逆手にとって、仮眠前に一杯のコーヒーや茶系飲料を飲んでおくのはたいへん良い方法です。眠りすぎることもなく、短時間ですっきりと目を覚ます手助けをしてくれますよ。

コーヒーやチャノキの葉が「体に良い」とされるデータは大量に存在していますが、同時に「体に良くない」とされるデータも存在しています。ある品物が確実に体に良い、あるいは悪いなら、そう示すデータがはっきりと出るものなのです。そうではなく、善し悪し両方のデータが混ざるということは……もうおわかりですね。身も蓋もないですが「どちらでもない」ということなのです。

とはいえ、コーヒーやチャノキの葉のようにこれほど世界規模で受け入れられ、日常的で安全な嗜好品として利用されている歴史が長い物は珍しいのです。健康への影響はさておき、そのおいしさは皆様すでにご存じのことでしょう。節度を守って上手に付き合いましょうね。

○参照リンク

全日本コーヒー協会 (カフェインの項目)

(若林理砂)