「3ピース!!!」
このフレーズを覚えている人は、香取慎吾主演のドラマ「人にやさしく」を見ていたはずだ。2002年にフジテレビの月9枠で放送されていたこのドラマ、笑えて泣けて、今でも見たいと思える名作ドラマのひとつである。どんなドラマだったのか、振り返ってみよう。

「人にやさしく」のあらすじ


原宿中学校歴代ボスである前田前(ぜん)・山田太朗・大坪拳の3人が、前の買った家で暮らしている。しかしこの家、不動産屋に騙されて買ったため、借金返済の毎日で極貧生活を送っていた。そんなある日、前が家の前で100万円の入った封筒を拾い、3人は思わず全て使ってしまう。
しかしそのお金は、親の倒産のために捨てられた、小学1年生の五十嵐明が落としたお金だったのだ。その男の子は「この子を預かって下さい」という母親からの手紙を持っていた。そんなこんなで3人は、親が迎えにくるまで、この子を預かることになったのだ。


それぞれ家庭環境に問題があり、それゆえに家族に対して強い憧れのある3人、そして明。時にぶつかりながらも、疑似家族として楽しい生活を送っていた。しかし最後には明の親が迎えに来て、3人も同居を解消し、それぞれの夢に向かって旅立っていくというストーリーだ。

現在は21歳に成長した須賀健太


主演の前田前役は、スマップの香取慎吾。しかしトリプル主演ともいえるほど重要な役どころに、俳優ではない2人が起用されていて、その演技が光っていた。その2人とはビジュアル系ロックバンド「SOPHIA」のボーカルで、八重歯がトレードマークの松岡充。そして今やニュース番組の顔、極楽とんぼの加藤浩次だ。山田太朗役を松岡充が、大坪拳役を加藤浩次が演じていた。
そして、一緒に暮らすことになった明を演じていたのが、須賀健太。これ以降も「ALWAYS 三丁目の夕日」など、多くの映画やドラマに出演し続け、現在では21歳に成長した大人の俳優だ。しかし、当時8歳で出演していたこの「人にやさしく」の印象が強いという人も多いのでは?

女性の出演者には、明の担任の先生、榊のぞみ役に星野真理、行きつけのレストランの従業員、水崎花子役に小西真奈美、レストランの店長・日向憂役にりょうがいた。のぞみは前、花子は太朗、拳は憂にそれぞれ恋心を抱いており、月9らしく恋愛模様も気になるところだった。 

ちなみに冒頭に紹介「3ピース!!!」とは、普通のピースよりも幸せになれるようにと、3本指を立ててするピースのこと。
ドラマの中で、みんなが事あるごとに使っていた3ピースであるが、もとからあった言葉やポーズではなく、このドラマのために作られたものだそう。