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海洋研究開発機構(JAMSTEC)と高知大学は2月9日、日本の南東約1800km沖の巨大平頂海山「拓洋第5海山」において、5500mを超える大水深でコバルトリッチクラストを確認し、研究用試料の採取に成功したと発表した。

形成後時間が経過した古い海山の斜面には、海山を形成する玄武岩や水深の浅い石灰岩等の基盤岩を覆うように鉄・マンガン酸化物を主体とした数mm〜10cmあまりの厚さのコバルトリッチクラストが広く分布しており、コバルト、ニッケル、白金などのレアメタルやレアアースなどを含む海底金属資源として注目されている。日本プロジェクト産業協議会の見積もりでは、日本周辺のコバルトリッチクラストの経済価値は、回収率45%を仮定し、約100兆円とされているが、現時点では商業的に採掘されている例は無い。

JAMSTECらはこれまでも拓洋第5海山の調査を実施しており、水深3500mまでの現場観察と試料採取を行ってきた。今回の調査では、無人探査機「かいこうMk-IV」を用いて、南方尾根水深4500m付近にコバルトリッチクラストが広がっていることを確認し、約2cm〜約7cmの厚みのコバルトリッチクラストを採取。また、さらに南方へ進んだ水深5500m付近では、崩れた崖が続く海底の所々に板状のクラストや庇状のクラストがあることを確認し、マニピュレータを使って幅30〜40cm、厚さ約3cm〜約8cmの板状の多数のクラスト試料を採取することができた。

研究グループは、今回の調査により、拓洋第5海山の深さが5500mを超える斜面にコバルトリッチクラストの広がりが確認され、さらに試料採取も行えたことから、コバルトリッチクラストの形成メカニズムを解明するための微生物学的・地球化学的機能の分析が行えるようになるとしている。

(神山翔)