9日、東京証券取引所の日経平均株価が暴落、一時前日比800円近く安い1万6220円に沈んだ。東京外国為替市場で円相場が1ドル=115円台半ばに急騰したことも、大きな要因となった。写真は東京証券取引所。

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2016年2月9日、東京証券取引所の日経平均株価が暴落、一時前日比800円近く安い1万6220円に沈んだ。前日の欧米市場での株価や原油価格下落を受けたことに加え、日本企業の業績悪化が表面化したため、運用リスクを避けようとする動きが広がり、全面安の展開。東京外国為替市場で円相場が急騰したことも、大きな要因となった。円の対ドルレートは、前日午後5時時点に比べ2円近く高い1ドル=115円台半ばで推移している。

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世界経済の先行き不透明感から各市場は動揺しており、節目とされてきた「1ドル=115円、日経平均1万6000円」の維持も困難視されている。

米景気の変調を受けて米利上げ先送り観測が台頭、米債利回りの低下が円買い・ドル売りを誘導し、「低リスク通貨」とされる円に買いが集まっている。

日銀のマイナス金利導入決定が、結果的に市場の潜在的円高圧力を顕在化させてしまった。1月29日のマイナス金利導入発表後は121円台を付け、円安・株高の期待が高まったがすぐに同日以前の水準に逆戻り、「失望感」が市場を覆っている。

今回の円急騰は米金利低下に伴う金利差要因と、株安・原油安を背景とした「逃避通貨・円」へのマネー流入現象という要因が複合に絡まったもの。円安・株高が生命線のアベノミクスにとってはまさに正念場。「115円、1万6000円」は死守せねばならぬ防衛ラインだが、日本だけでは制御不能といえる。

東京株式市場関係者は「アジア市場は旧正月休暇で休業しているだけに、米欧日の乱調が際立つ。制御不可能な状態に陥り、狼狽(ろうばい)売りが広がっている」と指摘している。(八牧浩行)