北京の地元紙北京晨報は8日、商店で購入した食品に中国語の表示がなかったなどとして販売した商店を相手に訴えた裁判で、北京市第二中級法院(高裁)が最近になり、商店側に返品(返金)と、それとは別に購入価格の10倍を賠償金として支払う判決を言い渡したと報じた。同裁判は二審で、二審制の中国では判決が確定したことになる。(イメージ写真提供:(C)趙建康/123RF.COM)

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 北京の地元紙北京晨報は8日、商店で購入した食品に中国語の表示がなかったなどとして販売した商店を相手に訴えた裁判で、北京市第二中級法院(高裁)が最近になり、商店側に返品(返金)と、それとは別に購入価格の10倍を賠償金として支払う判決を言い渡したと報じた。同裁判は二審で、二審制の中国では判決が確定したことになる。

 原告は、2014年6月に、商店で菓子類と飲料の計3種を購入した。うち2種は、説明の表示が中国で使用が定められている簡体字(略字体)ではなく、繁体字(旧字体)で書かれており、中国大陸部における取扱業者名と連絡先も表示されていなかった。

 1種については、中国語の説明がなかった。

  購入金額は600元(約1万715円)で、一審では購入した商品の返品と、「10倍の金額の賠償」として6000元の支払いを商店側は言い渡された。商店側は判決の根拠となった「食品安全法」の定めと異なるとなどして上告していたが、二審の北京市第二中級法院は、一審の判決を「不当な部分はない」として支持し、原告側の言い分を全面的に認めた。

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◆解説◆
 中国では食品安全の問題が多発されている。不満や不安の声が高まったことを背景に、「改正・食品安全法」が2015年4月25日に施行された。

 同法は、販売される食品の品質や表示について細かく定めている。必ず中国語の説明を表示せねばならないことも明記されており(第97条など)、中国語の表示がなかった食品については、被告側に落ち度があったことは明らかだ。「繁体字」の表示について記事は特に伝えていないが、中国では公共の場に示される漢字文字はすべて「簡体字」が用いられることが法律で定められており、「正しい中国語ではない」と判断された可能性がある。

 問題になるのは第148条で定められた「賠償」についての規定だ。被害の発生した場合の賠償だけでなく、基準に合致しない食品を生産したり、基準に合致しないと知りながら販売していた場合には、実際に被害が出ていなくても、販売側は購入者に返品と、それ以外の「賠償金」を支払うことが求められる。

 購入者に損害が出ていない場合の賠償金は「購入額の10倍。購入額の10倍に満たない場合には1000元」と定められる。しかし条文は続けて、「表示が説明書が食品安全に影響を及ばさず、消費者に誤解を招く恐れがない場合には、賠償金の適用の除外とする」と定めている。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)趙建康/123RF.COM)