中国政府は7日に発表した「新型都市化建設の推進を深めることにかんする若干の意見」で、戸籍制度の改革を加速することを明らかにした。「大都市以外」は自由化していく。(イメージ写真提供:123RF。都市部で働く清掃作業員。臨時戸籍を取得して働く農村部出身者が多い)

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 中国政府は7日に発表した「新型都市化建設の推進を深めることにかんする若干の意見」で、戸籍制度の改革を加速することを明らかにした。「大都市以外」は自由化していく。

 中国では、戸籍移動の自由が認められてこなかった。長い歴史を見れば、飢饉や戦乱などさまざまな理由で農民が故郷を離れることが、しばしばあった。中国が戸籍移動の自由を認めなかったのは、農村部で労働力を確保して食料生産の維持を向上を目指すためだった。都市部の混乱を回避する目的もあった。

 ただし、1990年に改革開放政策が本格化すると、都市部の「臨時戸籍」が容易に取得できるようになった。「臨時」といっても実際には農村部出身者が長期にわたり都市部に住んだ。しかし、正規の戸籍ではないので教育や医療など、受けることのできる行政サービスが大きく制限される場合が一般的だ。

 都市部から農村部に戸籍を移す人は、特別な事情でもないかぎり稀だ。難しいのは農村部から都市部へ、中小都市から大都市に戸籍を移すことだ。方法としては「ある程度以上の地位を認められた企業や政府機関に就職すること」がある。さらに、「不動産物件を取得すること」でも可能だ。

 中国中央政府によると、今後は大都市を除き、「安定した就業が可能な農民」については、正規の戸籍を取得させ、一家全員が都市部にいじゅうすることを可能にしていく。不動産取得などの条件ははずすという。正規の戸籍を取得した以上、従来からの住民と同一の権利を享受し、同一の義務を負うことになるという。

 中国ではすでに、長年にわたって続けている産児制限の影響で、労働人口が減少しつつある。もっとも厳しい、いわゆる「一人っ子政策」は解除したが、政府の当初の想定ほど、「2人目を生む夫婦」は伸びていない。戸籍の移動の制限緩和も、都市部における労働力不足に対応する側面が強いと考えてよい。

 戸籍の移動の制限を続ける「大都市」についての、具体的な説明はなかった。北京や上海が「大都市」と見なされるのは確実で、その他の中央直轄市である重慶と天津も「大都市」と見なされる可能性が高い。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF。都市部で働く清掃作業員。臨時戸籍を取得して働く農村部出身者が多い)