中国メディア・環球時報は6日、「日本企業が中国から大規模撤退」、「日本経済が泥沼に嵌っている」など日本経済の弱体化を叫ぶような情報が錯綜するなか「果たしてこれは事実なのか」とし、日本貿易振興機構(JETRO)のデータから「事実ではない」と論じた記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディア・環球時報は6日、「日本企業が中国から大規模撤退」、「日本経済が泥沼に嵌っている」など日本経済の弱体化を叫ぶような情報が錯綜するなか「果たしてこれは事実なのか」とし、日本貿易振興機構(JETRO)のデータから「事実ではない」と論じた記事を掲載した。

 記事は、JETROが1月に発表した報告で、中国に拠点がある日本企業の「今後1-2年の中国業務」について調査結果が示されたと紹介。「拡大」が38.1%、「現状維持」が51.3%と大半を占める一方、「縮小」は8.8%、さらに「第3国への移転または撤退」がわずか1.7%にとどまったとし、2014年に比べて「拡大」が減って「縮小・撤退」が若干増加したものの「日本企業の大規模な中国撤退は事実に反する」と結論づけた。

 「縮小・撤退」の理由では、「販売額減少」と「購買・人件費コストの上昇」がそれぞれ60%を超えたほか、「発展の潜在力が小さい」も36.4%に達したことを伝えた。また、「管理や規制が厳しくなった」との意見も出たことを紹介した。

 人件費コストの上昇、単純な工業中心だった中国経済のモデルチェンジに伴って、以前から中国に拠点を置いてきた日本のメーカーにとっては「うまみ」が薄れてきたことは間違いなさそうだ。記事は一方で、ある部品加工業者が「実は日本企業は決して中国から撤退したがっていない。労働力市場の成熟に伴って、労働者がより早くより高品質にタスクを完了できるようになっているからだ。他国に移転すれば最初から労働者や労働市場の育成をしなければならず、初期投資がかさむことになる」と語ったことを併せて伝えた。

 これまで存在してきたメリットに頼って中国に拠点を設け、その恩恵をあずかってきたメーカーにとっては、人件費の上昇といった変化は確かに撤退を考える要素の1つとなるだろう。中国にはもうメリットがないと考えるか、別のメリットを見出すかどうかが、撤退と残留を分けるポイントと言える。JETROのデータを見る限りでは、別のメリットを見出している企業のほうが多いようである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)