旧家の豪華なひな人形が集結!三井記念美術館で企画展「三井家のおひなさま」

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いつの時代も、女の子の幸せを願って飾られてきたおひなさま。それが、由緒ある旧家の女性たちが持っていた雛人形であれば、当時の最高技術で作られた逸品ぞろいのはず。

2016年2月6日(土)から4月3日(日)まで、日本橋の「三井記念美術館」では、春の訪れとともに「三井家のおひなさま」を開催する。江戸時代の豪商で三井財閥を築いた「三井家」の夫人や娘が、大切にしてきたひな人形やひな道具を一堂に集めた展示は、今年で9回目。

今回は、北三井家十代・三井高棟(たかみね)夫人の苞子(もとこ)(1869〜1946)、その三女として生まれた伊皿子三井家九代高長(たかひさ)夫人・興子(おきこ)(1900〜1980)、十一代・高公夫人の子(としこ)(1901〜1976)とその一人娘・浅野久子氏(1933年生まれ)、という2組の母娘ゆかりの、贅を尽くしたおひなさまが揃う。

苞子は巴印、子は小蝶印、久子氏は永印、興子は珠印というように、それぞれに持ち物を区別するためのお印が付いているそう。

写真は、苞子が嫁入り道具として持参した実家の旧富山藩主前田家伝来の「立雛」で、お姫様とお殿様の2人だけの立ち姿。愛らしい丸顔に、松や藤、撫子(なでしこ)などを岩絵の具で描いた小袖、菊と亀甲紋を金泥で表現した袴など、豪華な装飾になっている。江戸時代後期に作られた「立雛」は、紙製のもので、男雛が48cm、女雛が32cmとか。
明治33(1900)年に苞子の三女として誕生した興子のおひなさまは、江戸時代に上流階級で流行したといわれる極小サイズの銀製のひな道具で、現存するものも少なく、なかなか見ることができない珍しい展示。

こちらは大名家の姫君が婚礼の際に持って行く調度をミニチュア化したもので、女乗り物やタンス、茶道具などが、きわめて精巧に作られていている。


また、昭和8年に生まれた久子の幅3mにもおよぶ5段のひな段飾りも見逃せない展示。こちらは、最近まで浅野家で行われていた段飾りの再現だそう。

初節句の際に京都の丸平大木人形店・五世大木平藏が特別に注文したものなのだとか。希代の名人だった・五世大木平藏が制作したおひなさまは、精緻を極めた細工が美しい。


一方、久子の母親である子のおひなさまは、当時の日本橋で名工と呼ばれた二代・永徳齋製のものが中心に。写真の「次郎左衛門雛」は、丸顔で引き目かぎ鼻の、絵巻物のような顔立ちが特徴のおひなさま。

旧家の歴史あるおひなさまをみて、雛まつりに興味を持ったら、2月27日(土)に開催される土曜講座「日本の旧家 雛めぐりの旅」(聴講料2000円:無料観覧券1枚付き)への参加もおすすめ。伝統行事などに詳しいジャーナリストの萬眞智子氏から、全国各地の雛まつりなどの話が聞けるそう。定員50名なので、早めにFAXで事前申し込みを。

江戸時代から昭和まで、時代によって流行の顔や衣裳が違うので、その変遷を見るだけでも楽しめるはず。大事に受け継がれたおひなさまの展示で、日本の伝統を感じて。

トップ画像:立雛 江戸時代・文化12年(1815) 三井記念美術館蔵
画像 上:銀製雛道具 江戸〜明治時代・19世紀  三井記念美術館蔵
画像 中:内裏雛(女雛) 五世大木平藏製 昭和9年(1934) 三井記念美術館蔵
画像 下:「次郎左衛門雛」 二代永齋製 明治〜大正時代・20世紀