SMAPにみる 壊れた人間関係を修復する為には

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2015年の半ばから分裂・解散騒動に揺れていたSMAP、一月の緊急生放送ではお葬式のような雰囲気を醸し出して多くのファンを悲しませました。

5人はとてもぎこちない雰囲気で、誰の目にも5人の気持ちが一つでないことは明らかでした。
国民的なアイドルとして日本中から愛されてきたSMAPですから、誰もがその関係の修復を願っています。

壊れた人間関係はどのようにすれば元に戻るのでしょうか。
人間関係に詳しい心理学者で神奈川大学教授の杉山崇先生に聞いてみました。

人間関係を維持するポイント


人間関係を維持するポイントは二つです。

一つは協力しなければ達成できない共通の目的を持つこと。

そしてもう一つは目的のための役割分担を明確にすること。この二つに尽きます。

SMAPは解散騒動を超えてアイドルとしてのSMAPブランドとファンの気持ちを守るという共通の目的を持てたはずです。これは関係修復の糸口になるでしょう。

しかし、シビアな社会でのサバイバルにはその世界における有力者を大事にするという大人の付き合いも必要です。
これは芸能界に限らず、どんな仕事でも同じです。

報道では木村さんは育ててくれた事務所を、中居さんはこれまで世話になったマネージャーを、と分かれているようです。

つまり目的が部分的にズレているのです。
このようなときはお互いの立場を理解するつもりで話し合えばズレを修復できます。誰もないがしろにしなければいいだけの話です。

感情的な問題は割り切って大人の対応をすればいいことなのです。
そのように進むといいですね。

役割分担に問題を抱えるグループ、その解決策は?


生放送で特に深刻に見えたのは役割分担のほうです。

SMAPのリーダーと言えば中居さん。国民のだれもがそう信じていました。

しかし、生放送は木村さん中心に行われました。
これは事務所主導で行われたと言われています。5人の中で役割が不透明になっているのではないでしょうか。

役割分担に問題を抱えるグループの唯一の解決策は、当事者同士が相談することです。
共通の目的のために自分たちに何ができるか、意見を交換しながら時間をかけて納得する分担を探すことが重要です。

ここに変に権力者が介入すると気分的な軋轢が増すだけです。

同じように20年以上も活動を続けている女性ダンスボーカルグループのMaxは自分たちで話し合って自分たちのメンバー構成も決めてきたそうです。
誰かが介入して役割を与えるのでは納得できる役割分担はできません。

木村さんには木村さんにしかできない役割がありますし、中居さんにも中居さんにしかできない役割があります。

目的に向けたそれぞれの役割を話し合って再確認するべきでしょう。

時には「寝かせて」みることも


もちろん、壊れた人間関係にかかわること自体が不愉快の連続です。
話し合いのプロセスではお互いに不愉快になるでしょう。

お互いに嫌になってしまうことも多々あります。

しかし、共通の目的への思いがお互いに強ければ乗り越えられるはずです。
一時的にはお互いに不愉快になるものだと割り切ってあきらめずに対話を重ねましょう。

また人間関係が壊れたことによる不快感は時間を置くと溶けていくこともあります。
壊れた直後にはお互いの悪いところしか目に入りませんが、時間がたつと違うところも見えてくるものです。

「もうダメだ」とあきらめずに、壊れた人間関係は壊れたままでしばらく「寝かせて」みてください。きっと話し合いもしやすくなるでしょう。

SMAPのみなさんをこれからも見守っていきたいですね。

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<執筆者プロフィール>
杉山 崇
神奈川大学人間科学部/大学院人間科学研究科教授。心理相談センター所長、教育支援センター副所長。臨床心理士、一級キャリアコンサルティング技能士、公益社団法人日本心理学会代議員。