中国湖北省紙の武漢日報は7日、武漢市を出発して6歳の息子とともに日本を旅行中という女性に取材した記事を掲載した。これまでの海外旅行の経験により、息子は自分から「人に迷惑をかけないのが文明ってことなんだよね」と言い出すようになったという。(イメージ写真提供:(C)Arseniy Rogov/123RF.COM)

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 中国湖北省紙の武漢日報は7日、武漢市を出発して6歳の息子とともに日本を旅行中という女性に取材した記事を掲載した。これまでの海外旅行の経験により、息子は自分から「人に迷惑をかけないのが文明ってことなんだよね」と言い出すようになったという。

 中国で、春節(旧正月、2016年は2月8日)の前後は旅行シーズンだ。かつては「帰省の季節」だったが、今では海外旅行を楽しむ人も多い。中国では、海外旅行をした自国民がルールやマナー違反でトラブルを起こしたり、訪問先の人々の中国に対するイメージを悪化させたとのニュースが頻繁に報じられている。多くのメディアや中国人自身が、自国民の「民度の低さ」を問題視している。

 武漢日報によると、日本を旅行中という同市市民の女性の梅立学さんの、SNSへの投稿が評判になった。梅さんは、「息子は物事が分かるようになりました。飛行機内やレストラン、商店でわれを忘れて大声を出してしまうことはありますが、わたしたち(夫婦)が注意しなくても、自分で気づいてすぐにやめます」、「まだ6歳ですが、『ボクは分かっているよ。文明というのは他人に迷惑をかけないことなんだよね。紳士としてふるまえば、文明的ということさ』というようになりました」などと書き込んだ。

 武漢日報が改めてコンタクトしたところ、梅さんの息子に「文明的とはなにか」と考えさせた最初のきっかけは、英国に旅行した際の飛行機内の出来事だったという。赤ちゃんを連れた若い夫婦が搭乗の直後に、周囲の乗客に紙袋に入れた「プレゼント」を配った。中味はチョコレートと耳栓、そして英文の手紙だった。手紙には「申し訳ありません。子どもの泣き声でご迷惑をおかけするかもしれません」と書かれていた。

 周囲の乗客は夫婦に微笑み、わざわざ立ち上がって「ありがとう」という人もいた。その時には、梅さんの息子は若い夫婦の周囲に対する気遣いを理解できず「赤ちゃんが泣くのは当たり前じゃない?」と不思議そうにしていたという。梅さんは、周囲の人に迷惑をかけるのはよくないことで、赤ちゃんが泣いてしまうようなどのどうしようもない場合には、事前に謝っておくのが正しいと教えたという。

 次の機会は、ドイツのレストランでだった。となりのテーブルに4人の子を連れた客がいた。最も幼い1人が、大声で騒ぎだした。すると、父親らしい人がその子をレストランの外に連れ出した。子どもは長い間叱られたと見え、連れられて戻ってきた時には、目に涙を浮かべていた。もう、騒がなかった。

 このことについては、母子でずいぶん話したという。梅さんの息子は最後に自分で「紳士的になるのは、子どものころから、そういう風に慣れなきゃだめなんだよ。大人になってからじゃ遅いんだ」と結論を出したという。

 しかし梅さんによると、「文明理解」という息子の成長は、周囲の大人にもよい影響を及ぼしている。息子の祖父母は「どんな場所でも平気で大声で話す」という習慣の世代に属するが、息子と一緒に出掛けたことで“感化”され、自分たちの話し声に気をつけるようになったという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)Arseniy Rogov/123RF.COM)