北海道、新千歳モーターランドをベースに「スバルAWDオールラインナップ雪上試乗会」が開催されました。

会場には、フラッグシップのレガシィB4、スポーツマシンのWRX STIとスポーツサルーンのWRX S4、さらにスポーツツアラーのレヴォーグといった走り自慢のAWD車だけでなく、スバルSUVを構成するレガシィ アウトバック、フォレスター、XV、クロスオーバー7、そしてスバルのベーシックラインといえるインプレッサ・シリーズが用意されています。

こうして、スバル独自の水平対向エンジンとシンメトリカルAWDを、クローズドコースや公道において雪上試乗することができたのです。

vab_on_the_ice

多くのエンジニアも出席したAWDオールラインナップ試乗会。その中には、インプレッサやWRXシリーズの開発を率いる高津益夫PGM(プロジェクトゼネラルマネジャー)の顔もありました。

もともとサスペンションエンジニアとして軽自動車のシャシー設計からWRマシンの開発、インプレッサの足回りなどなどに関わってきた高津PGMに、WRX開発における話をうかがっていると、話はいつの間にかWRマシンの開発秘話へ。

ペター・ソルベルグやトミ・マキネンといった超一流ドライバーは声を揃えて同じことをマシンに求めていたといいます。

それを手短にまとめると「ステアリング操作に忠実にレスポンスするフロントタイヤと、どこまでもしっかりグリップするリアタイヤ」という、ある意味で相反する要素を両立、バランスを取ることにあったといいます。言い方を変えると、遊びのすくないハンドリングともいえそうです。

そうしたモータースポーツによりスバルが蓄積したノウハウは、現在のスポーツモデルであるWRX STIにも活かされているのは間違いありません。

それは雪道でも同様でした。実際、アイスバーンといえるほど固められた圧雪路でもっともハンドル操作に素早く反応したのはWRX STIを筆頭に、WRX S4やレヴォーグといった2.0リッターターボ車だったのです。ただし、遊びの少なさは、とくに雪上においてはドライビングの難しさを実感することになったのです。

とくにWRX STIは車両からのインフォメーションも豊富で、ドライバーのインプットに対する反応も適切なのですが、それゆえに判断する際の細やかさが求められ、ドライビング・ミスも挙動として表れやすいと感じられるシーンがありました。

そうして乗り比べていくと、ベーシックなインプレッサスポーツの走らせやすさが印象に残っていったのです。

imp_hev_snow

つづいて、新千歳モーターランドの特設雪上コースでインプレッサ・スポーツを、周囲の一般道にてインプレッサ・スポーツ・ハイブリッドを試すことができました。

AWDシステムが、WRX STIのDCCD、WRX S4やレヴォーグのVTD-AWDと異なり、フロントの駆動配分を多めにしたACT(アクティブトルクスプリット)方式というのもありますが、シャシーも含めて車両全体で操作に対する余裕がありました。

たとえば途中からアイスバーンに路面が変化するようなコーナーでも、ゆっくりと対処できます。いい意味で緊張せずに運転できるのは、雪道に慣れていないドライバーとしては好感触だったのです。

かなり舗装が見えていて、だからこそコンディション(路面のグリップ感)が変化している一般道でも、そうした乗りやすさというのは安心感につながります。ワダチが深めの特設コースではロードクリアランスの豊富なSUV系の有利さを感じましたが、一般道では乗用系モデルで問題を感じることもありません。

グリップが低く変化しやすい路面では、ハイブリッドの回生ブレーキ量の変化も気になるポイントです。しかし、トランスミッション内にモーターを配置、四輪からバランスよく減速エネルギーを回生するスバル独自のハイブリッドAWDは、ハイブリッドゆえのネガをまったく感じさせないものでした。

また、加速していくときも、ずっとリアが駆動しているというのは十分に伝わってくるもので、安心感につながります。いまどきのスタッドレスタイヤを履いていれば、二輪駆動でも問題なく走れるシチュエーションだとはわかっていても、そこはかとない安心感はAWDの大いなるアドバンテージ。

だからこそスバルはラインナップのほとんどをAWDにしているのだ、と納得できたのです。

●スバル インプレッサスポーツ ハイブリッド2.0i-S EyeSight 主要スペック
車両型式:DAA-GPE
全長:4420mm
全幅:1755mm
全高:1490mm
ホイールベース:2645mm
車両重量:1500kg
乗車定員:5名
エンジン型式:FB20
エンジン形式:水平対向4気筒
総排気量:1995cc
最高出力:110kW(150PS)/6000rpm
最大トルク:196Nm(20.0kg-m)/4200rpm
モーター型式:MA1
モーター形式:三相交流同期電動機
モーター最高出力:10kW(13.6PS)
モーター最大トルク:65Nm(6.6kg-m)
変速装置:CVT
燃料消費率:20.4km/L (JC08モード)
メーカー希望小売価格:263万5200円(消費税込)

impreza_snowvab_on_the_iceWRX_S4_on_iceGP_HEVhev_snowimp_hev_snowSUBARU_059DSCF4593SUBARU_002

(写真提供:富士重工業/撮影・文:山本晋也)

スバル車で雪道を走る。WRXの緊張感を癒やすのはインプレッサ・ハイブリッド!(http://clicccar.com/2016/02/08/352882/)