中国メディアの環球網は4日、「日本人の猿好き、サル年だけのことではない」と題する記事を発表した。新華社系の新華網も「日本人はどれだけ猿を愛しているのか?」と見出しを変えて、同記事を転載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディアの環球網は4日、「日本人の猿好き、サル年だけのことではない」と題する記事を発表した。新華社系の新華網も「日本人はどれだけ猿を愛しているのか?」と見出しを変えて、同記事を転載した。

 中国では、日本旅行をした人、する人、望む人が増えている関係からか、日本を紹介する記事が増えている。中国人旅行者と言えば「爆買い」や「マナーの問題」が注目される場合が多いが、日本社会や日本文化を広く、深く、正しく知ろうと考えている人が多くなった側面も見逃せない。「日本人と猿」といった、かなり細かいテーマで日本を紹介する記事も増えてきた。

 記事は冒頭で、「見ざる・言わざる・聞かざる」の「三猿」を取り上げ、論語の教え「非礼勿聴、非礼勿言、非礼勿視(礼にあらざれば聴くなかれ、礼にあらざれば言うなかれ、礼にあらざれば視るなかれ)」によるもので、人は「慎むべき」と説いていると紹介した。

 日本で「三猿」と言えば、日光・東照宮を連想するが、記事は、多くの神社で「三猿」を見ることができると紹介した。そして、日本人は猿を「霊性」がある存在と見なしていると指摘。猿は信仰の対象にもなっており「日本人の精神文化において重要な地位を占めている」と論じた。

 信仰の対象としては「サルタヒコ(猿田彦)」を紹介。天孫降臨の際の道案内をした神であり、旅人の守り神ともされるようになり、三重県伊勢市などにある「猿田彦神社」は日本人に愛されていると論じた。

 また、「猿」は「去る」と同音なので「災難を取り去る」、すなわち「福をもたらす」存在とも考えられていると説明した。

 さらに、「申年(さるどし)」生まれの人は、「個性的、忍耐力がある、生まれつき賢い、好奇心が旺盛、人気者になる」と見なされていると紹介。申年生まれの有名人としては、「中国人には全く好感をもたれていない」との説明を添えた上で1932年生まれの石原新太郎氏を筆頭に挙げ、44年生まれの田中真紀子氏も紹介した。

 さらに、元男子サッカー日本代表監督の岡田武史さんや女優の広末凉子さんを取り上げ、さらにAKB48・HKT48の指原莉乃さんを、92年生まれの「お騒がせ者の小猿」と紹介した。

 日本人の友人から年賀状を受け取る中国人も多い。記事は、申年だった2004年には「温泉に浸かる猿」の写真がある年賀状が見られたと紹介。今年は「温泉に浸かる親子の猿」の年賀状があったという。

 記事は、「日本の長野県には猿の温泉が本当にある」と紹介。さらに、猿の「美女コンテスト」があったり、「猿カフェ」というチェーンが全国展開していることからも、日本人が猿を愛していることはよく分かると評した。

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◆解説◆
 日本人が「猿好き」という主張には、多少、牽強付会な面も感じられるが、中国人にとって、「日本には猿文化があふれている」と思えるのは事実なのだろう。猿カフェ(猿cafe)は、愛知県を中心に展開する喫茶店のチェーン。創業者が猿渡弘太氏で、猿への愛情だけを理由としてのブランド名ではなさそうだが、中国人にとっては「猿の文字がある姓が存在すること自体が、日本人が猿好きである証拠」と思えるかもしれない。

 中国では春節(旧正月、2016年は2月8日)をもって、干支を切り替える。つまり、2016年1月1日-2月7日の間に生まれた人は、日本人ならば「さる年」、中国人ならば「ひつじ年」とみなされることになる。上記記事は、春節を迎えるにあたっても「年越し特集」と考えてよい。

 「三猿」の起源については、異説もある。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)