ドイツ鉄道の長距離列車でトイレが故障、女性が失禁(画像はイメージです)

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長距離を走るためトイレが設けられている新幹線や特急列車。もしも走行中に「トイレは故障しております」と告げられたら乗客はどうすればよいのであろうか。このほどドイツで、トイレで用を足す権利の有無をめぐる注目の裁判が行われた。

列車を降りた途端に失禁という、大人としてのプライドが崩壊するハプニングに見舞われたある女性。ドイツ西部のコブレンツ〜トリール間を走る列車に乗った彼女は、その旅を「2時間のまさに拷問でした」と表現する。なぜなら列車に1か所しかないトイレには非情にも「故障」の張り紙が。女性はトリール駅に到着するまでなんとか尿意をこらえたものの、下腹部はすでに痛み、駅のトイレに向けてダッシュした瞬間に限界が来てしまったという。

その列車を運行しているのは「ドイツ鉄道(Deutsche Bahn 本拠地:ベルリン)」。車両の整備に手落ちがあったためこのような恥ずかしい思いをさせられたと考えた女性は、同社に対して慰謝料や損害賠償を求める訴えを起こした。その請求額はなんと400ユーロ(約52,000円)。勝訴したところで弁護士費用を払えば赤字もいいところである。

このほどその裁判がトリールで行われた。「トイレを使用させられないような長距離列車に乗客を乗せたことに落ち度がある。また事前のアナウンスなどで、そのような状況下でも“あえて乗るか”“次の列車を待つか”乗客自身に選ばせるべきであったが、それを怠っている。この2点にはおおいに問題がある」と裁判長。こうしてドイツ鉄道は、その女性に損害賠償金として200ユーロ(約26,000円)を支払うよう命じられた。

しかしドイツ鉄道側はこれに対し、「私たちは列車の乗客にトイレを使う法的権利があるとは考えていません」と反論。まったく反省の色を見せない同社に「女性はとんだ恥をかいた。もっと高額訴訟にしても良かったのに」との声があがっている。

※ 画像はイメージです。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)