ところで、軽失禁パッドを使う前に、メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満に高血糖・高血圧・脂質異常症のうち2つ以上を合併した状態)が、尿漏れのリスクを高める要因になっていることをご存じだろうか。メタボになると動脈硬化を誘発し、脳や脊髄に加えて膀胱・尿道も血の巡りが悪くなり、排尿トラブルで病院での治療が必要になるのだ。
 「加齢は避けることはできませんが、メタボは生活習慣によって予防、改善ができます。健康診断を受け、暴飲暴食をしない、適度な運動を心掛ける、血糖値や血圧をきちっと管理するなど、改めて見直すことも大切です」(専門医)

 また、男性の軽度な尿失禁は、セルフケアで症状を改善できるケースもある。
 東邦大学医療センター大橋病院泌尿器科の外来担当医は言う。
 「陰のうの付け根から尿道の先へ、圧迫しながら絞り出す『ミルキング』という動作には、尿道に溜まった尿を外へ出し切る効果があります。お勧めしたいのは、排尿障害に悩む女性と同じく『骨盤底筋トレーニング』です。男性の場合は、排尿を途中で止めるイメージで5秒間、意識をして締める。次に5秒間かけてゆっくりと緩める動作を繰り返す。これを1回と数え、8〜10回を1セットとし、朝昼晩それぞれ2、3セットずつ続ける。これで、3カ月ほどで効果を実感できる人もいます」

 さらに別の専門家はこう助言する。
 「まずは、落ち着いてしっかり尿路のオシッコを出し切ること。男性には尿路に残ったオシッコを絞り出すための『球海綿体筋』があります。男性が射精するとき、精液を勢いよく放出する役割を果たす筋肉でもありますが、オシッコの後には、誰でも無意識に収縮させている。その陰茎部の裏側の根本付近に指を当てて、肛門を締めるように力を込めると、筋肉が動くのを感じることができます」
 つまりは、加齢とともに前立腺肥大が進むと、「球海綿体筋」の機能が衰え、頻繁な“ちょい漏れ”の原因となる。そのため、肛門を締める運動4〜5回を1セットとして行い、1日10〜15セット続けると衰えを抑えられるという。

 一方、東京社会医療研究センターの村上剛一主任は「尿漏れには深刻な病気が潜んでいる場合がある」と注意を促す。
 「尿漏れの一種である『溢流性尿失禁』は、尿を出せずに膀胱に残る大量の尿が溢れ出す現象で、放っておくと命にかかわる場合があります。膀胱内の尿が細菌に感染し、それが尿管から腎臓へ逆流すると腎盂腎炎を起こし、腎不全の原因にもなります」

 また、目に見える血尿は、膀胱がんや結石が原因であることが少なくないという。
 「尿が赤い場合や白獨していた場合は、泌尿器科を受診してください。尿漏れの原因はさまざまで、肥満や前立腺がん手術が関係していることがあります」(同)

 いずれにしても、尿漏れは色々な悩みがついて回り、加齢とともに誰もが経験する症状。時に、ショックと同時にプライドを傷つけるが、予防対策はきちっとすべきだ。