子ども発明家たちがつくった「未来のあったらいいな」

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“ヘタうまイラスト”で注目を集めるドミニク・ウィルコックスの最新プロジェクト「Inventors!」は、自らのクリエイティヴの原点を振り返り、その楽しさを子どもたちにも伝えるワークショップだ。子どもたちが考えたアイデアとそれを具現化した作品を紹介。

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2/16実際につくられたLiftlater。「戦争から逃れたければ、これを手にすべし」

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3/16Super Fast Tennis Ball|飛んでいるテニスボールのパワーとスピードを上げることができる超高速テニスボールという発明アイデア。

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4/16実際にアイデアをもとにつくられた「超高速テニスボール」。

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5/16Creak-less Slipper|家の中を歩くと床がギシギシなってしまう人のための「床がきしまないようにするスリッパ」。

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6/16スリッパの最終モデル。底に空気注入式のクッションがあり、ボタンを押すと膨らむようになっている。

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7/16Ladybugs Umbrella|てんとう虫のための傘というアイデア。

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8/16手吹きガラスでつくられた「てんとう虫の傘」のプロトタイプ。

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9/16Shady Lamp|部屋の明かりを暗くしたり明るくしたり調節できるブラインド式ランプ。

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10/16ランプを発明した11歳の子どもは、照明の調光器は壊れることがあるのを知っていて、この発明を考えた。またこの手動式タイプならば、好きなランプに利用できる。

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11/16 Talking Lunch Clock|お昼になると「ランチタイム!」と教えてくれるフクロウのような時計。

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12/16この時計は、Arduino(アルドゥイーノ)の互換マイクロコントローラーや時計、音源サンプラーモジュールから構成されている。

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13/16PRINGLE HOOK|プリングルスの底からもち上げて楽々ポテトチップスを取ることができる、便利なホック。

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14/16インダストリアル・デザイナーによって実現されたホック。付加価値としてプリングスに内蔵できる仕様になっている。

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15/16Tooth-o-Matic|歯磨き粉が内蔵された歯ブラシ。ボタンを押すと、ブラシに歯磨き粉が出てくる。

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16/16注射器のようなシリンジが付いた、歯ブラシに仕上がった。歯磨き粉チューブは、持ち手の内側にある。

 

クリエイティヴに何かを追求する人たちは、自らの肩書をデザイナーや開発者、ときに職人とか何とか、と名乗ったりする。

しかし、シリアル用のロボットスプーンや、ステンドグラスの自律走行車といった数々の風変わりな作品を生み出しているドミニク・ウィルコックスは、自らを「発明家」と呼ぶ。ウィルコックスによると、発明家は一風変わったアイデアを生み出す人。そして、デザイナーはそれを形にする人たち、だという。

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ウィルコックスは、故郷である英国サンダーランドにある大学に在学しているとき、指導教官からある本を紹介された。その本は、ちょっとばかりひねりが効いた発明に関する本で、何だか風変わりなものが詰まったワクワクする本だった。いまとなっては本のタイトルを思い出せないと彼は言うが、自身の飛び抜けたアイデアの原点となった本に間違いはない。

事実、それが彼の発明家としてのスタートだった。

現在、ロンドンを拠点に活動しているウィルコックスは、次世代を担う子どもたちのもつ「発明家の芽」を育てようと新しいプロジェクト「Inventors!」を立ち上げた。

「Inventors!」は、地元サンダーランドで昨秋に始まった子どものためのワークショップだ。

ウィルコックスは、全19回のワークショップの各回で、例えばGPS内蔵の革靴といった自身の発明を子どもたちに披露して、そのなかで子どもたちに「自分のアイデアを考えたり描いたりしてみない?」と問いかけた。そして参加した子どもたちが描いた600枚もののアイデアから60枚を選び、それらのスケッチを実際に形にすることを地元のデザイナーたちに依頼した。

ウィルコックスは、子どもたち自身が想像力豊かに考えられるようこのワークショップを構成している。「子どもたちが問題を考える、そういう風にしたかったんだ」と彼は言う。「自分が問題を抱えているかもしれないし、それは友達や家族かもしれない。例えば、彼らのおじいさんが椅子から立ち上がるのが大変、とかね」

ウィルコックスはワークショップについて、「とても気楽で、誰でも発言できる雰囲気」と言う。

彼はスケッチに矢印や説明を加えたり、それからどんな人たちが使うようになるのかも考えてみるように子どもたちを促した。「ただ、ありったけの努力でアイデアをひねり出すのです」と笑うウィルコックス。それからアイデアのデコボコした部分を実現するために改良を重ねるという。

ウィルコックスは、子どもたちが考えた60枚のデザインをサンダーランド在住デザイナーの小さなネットワークとつなぎ、そして子どもたちも実際そこに連れて行った。このコミュニティには、ものづくりネットワーク・FabLab(ファブラボ)や、地元大学の研究センターなども含まれている。そこにいる大人たちは小さな発明家に出会い、そして彼らをちゃんとクライアントとして扱った。

こんな発明が生まれた!

このプログラムでは、子どもたちのアイデアに実用性を求めてはいない。だからこそ、テントウムシ用の傘(上記ギャラリー#07,08)や、ランチタイムを知らせてくれる時計(ギャラリー#11,12)、速度を調節できるプログラム付のテニスボール(ギャラリー#03,04)といった面白い発明が生まれているのだ。

そのなかでも「Liftolater」(ギャラリー#01,02)は野心的で、地下壕にすべり台でつながっている近未来的なバイオドームが描かれている。「戦争から逃れたければコレ」とその説明書きに書かれている。

だが、すべての発明が奇抜なアイデアだというわけでもない。プリングルス・フック(ギャラリー#13,14)は、背の高いプリングルス缶の底からポテトチップスを取り出すのに役立つようデザインされていて、これはかなり使いやすく実用的だ。

これは、正解がないプログラム

ウィルコックスは、子どもたちにとって「Inventors!」が未知の創造性を探るチャンスになるとも捉えている。彼によると、例えば、部屋を掃除するロボットや、代わりに宿題をしてくれるペンなど…子どもたちの多くが似たようなアイデアから出発するという。

彼らの想像力を膨らませるようにして、そしてその発想を大人が真剣にちゃんと受け止める。これによって子どもがもつ本当の並外れた想像力へと導かれる、それがまさしくゴールなのだ、とウィルコックスは語る。「スピードを調節できるテニスボールをつくれるか? 可能性として将来的にはイエス、だろうね」と彼は続ける。

「ぼくたちオトナは、いまもってる知識の先を行くアイデアを子どもたちに伝えていくことが大事。そうすると、きっと子どもたちも自ら進んで楽しんで考えるんだろうね」

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