見て楽しい、食べて美味しい、まさに記憶に残る一日を体験できるのが一流ホテルの鉄板焼き。カウンター越しの眼前で、一流シェフによる華麗な焼き捌きで一流高級牛が踊り、ジュっと香ばしい音色を奏でる圧倒的なライブパフォーマンスは、食べる前からスタンディングオベーション状態になれる。

そんな、至高の時間が約束されている一流ホテルの鉄板焼きの中でも、いま訪れるべき3軒をご案内しよう。いずれも思わず息をのむようなスペシャルな要素を持ち、まさにエンターテインメントな空間。ビジネスにもデートにも、ここぞの時に使いたい名店をご紹介。



いずれも劣らぬ至極の焼き技術で極上肉を仕上げる

融点24℃の霜降りと旨みを凝縮した赤身『恵比寿』

ウェスティンホテル東京


鉄板に肉をのせれば、魅惑的な音とともに芳香が溢れ出し、瞬く間に色が変わる。肉に焼き色が付くことを“はじき”と呼ぶが、それが付きやすいのは、融点が低いことの証しだという。

常温に置いておくだけでも溶けていく脂身は、口に含むとジュワッと肉汁が溢れ出し、極上の柔らかさでうっとりとさせられる。だが、秀逸さはそれだけに終わらない。霜降りだけでなく赤身の質にも優れ、コクと芳醇な味わいの次には、さっぱりとした余韻へと導かれる。



¥18,000〜¥46,300のコースで出される恵比寿牛のステーキ。英国マルドンの塩、恵比寿牛で炊きこんだオリジナルの肉醤油などで味わう

ここで使用されている極上肉は、鹿児島県にあるのざき牧場で生産される。独自にブレンドした餌に加え、出荷前の生後27ヵ月の良質な黒毛和牛に糖蜜を与えることで、霜降りと赤身のバランスがいい肉質に仕上がる。

『ウェスティンホテル東京』の最上階で味わうにふさわしい“恵比寿牛”と命名されたブランド牛をぜひ。




内観


コンラッド東京の鉄板焼きは夜景も凄い!



地上28階から望む目映いばかりの夜景
『風花』

コンラッド東京


墨絵をモチーフに蔵をモダンに表現した日本料理『風花』。懐石のテーブル席や鮨カウンターを横目にさらに奥へと進むと、8席の鉄板焼きカウンターが姿を現し、艶やかな朱のカウンター席に座れば、見飽きることのない夜景が視野を埋める。

光を放たない浜離宮恩賜庭園がそばにあることで、ビルの明かりや車のテールランプがより輝いて目に映る。運がよければ、羽田空港に離着陸する飛行機が一度に10機見えることもあるとか。



「黒毛和牛のフィレ肉」黒毛和牛を使用したコースの一例

夜景同様、見惚れてしまうほど鮮やかに腕を振るうのは、フレンチ出身のシェフ。フレンチの技法を活かした20種以上そろうソースの豊富さは随一ではないだろうか。

白ワインと蛤の出汁、リンゴとポート酒、焦がしねぎとバルサミコとアンチョビ、さらに、いぶりがっこと塩昆布など洋から和まで実に幅広い。これほどのソースならば、合わせるアルコールも厳選したくなるところ。

コンラッド東京の全レストランでの飲み物を統括しているソムリエチームに相談すれば、シャンパンから日本酒まで料理との相性を考慮した一杯が、最適な状態で供される。



黒毛和牛を使用したコースの一例



内観


ホテルニューオータニの鉄板焼きは塩・こしょうにまでかなりのこだわりが!



最高峰の食材と選び抜いた道具の数々
『石心亭』

ホテルニューオータニ


4万平方メートルの歴史ある日本庭園に佇み、円を描くように鉄板焼きカウンターが配されている。

「カウンターに立っていると、庭園の橋を渡ってこちらに歩いて来られるお客様がよく見えます。ご予約のお客様かなと背筋が伸びますね」と話すのは、『石心亭』を含むガーデンレストランやステーキハウス『リブルーム』の料理長。



のじぎく判入り神戸牛 菊の模様に神戸牛と描かれた判が押され「神戸之肉証」が公付される。サーロイン200g ¥35,000

ゲストに微笑みかける表情は穏和だが、肉を見定める眼差しは真摯で鋭い。『石心亭』では、但馬牛の中から厳しい諸条件を全てクリアした牛だけに与えられる黒毛和牛の最高峰ブランド「神戸ビーフ」を扱う。神戸肉流通推進協議会により認定された「のじぎく判」入りだ。

塩は、ヒマラヤ山脈の麓、地下1,500mから採掘される約6億年前の天然岩塩を使用。甘み豊かな味わいが、肉の旨みを最大限に引き出す。メーカーとの共同で開発に1年を費やした鉄板は「ニューオータニ」の銘入り。

鹿の角を使った2つと同じものがないカービングナイフとフォークで華麗に肉をカットすれば、最高の状態でゲストの口へと運ばれる。



サラワク州のこしょう 良質で名高いボルネオ島のこしょうを使用。黒こしょうは肉や魚、白こしょうはサラダなどに



ブルーソルトとヒマラヤ岩塩 ミネラルを多く含むブルーソルトを魚に、肉にはヒマラヤ岩塩を使い分ける。岩塩皿も好評



内観