HKT48宮脇咲良が2016年、アイドルの頂点に立つ存在になるかもしれない。

「HKT48 春のライブツアー 〜サシコ・ド・ソレイユ 2016〜」初日を名古屋・日本ガイシホールから開始したHKT48。この中でも、宮脇咲良の堂々たる姿はまさしく今後のAKB48グループを背負っていく決意も感じられる力強いものだった。

AKB48デビュー10周年シングル『君はメロディー』でセンターポジションに選出された宮脇。この抜擢を「サプライズ」と書くメディアも多かったが、AKB48の系譜をしっかりと継いだ正しい選抜だったと思える。

宮脇が渡辺麻友とWセンターを務めた『希望的リフレイン』では、AKB48の楽曲でセンターを務めた歴代のメンバーがMVへ出演。卒業メンバーの前田敦子、大島優子、篠田麻里子、板野友美も出演したことで、まさに「AKB48のセンターを受け継ぐ」意味合いを感じ取ったファンも多かった。

そしてついに単独でのAKB48センター。指原莉乃も「あつゆう(前田敦子と大島優子)の前で歌うんだよ」と発表時に宮脇へ声をかけたように、まさに「レジェンド」達の前に宮脇が立ち、記念すべき10周年シングルを歌う。これは、誰が見てもAKB48の未来が宮脇に託されたと見えるだろう。それくらいに、長いAKB48の歴史の中で大きなターニングポイントとなる。その運命をしっかりと受け、宮脇が、序盤から大活躍。中盤は2曲に1曲のペースで歌唱メンバーで登場。おそらく衣装の着替え以外はステージに立ったといえる。HKT恒例の”寸劇”も主役級で、舞台を所狭しと暴れまくった。

HKT48内でのセンター争いでは凌ぎを削った、兒玉遥とのデュエット曲『生意気リップス』では、見事な美脚全開で、爽やかなセクシーさも感じられた。時にアイドルらしくキュートに、時にちょっぴりセクシーに、時に全力のダンスと、指原と2トップなのか?と思えるポジションで、宮脇の魅力が満載のツアーのスタートとなった。

宮脇は初日を迎えたことを興奮気味に「半年ぶりのツアーなので、もういろんなものが”ぎゅっ、ぎゅっ”て詰め込まれて楽しいです!」とオーバーアクションでファンにアピールしたが、確実にHKT48の中核として、AKB48の新センターとしての実力を如何なく発揮したステージだった。

ライバルを指原と話し、「HKT48はさっしーを超える誰かがいないと大きくなれないと思っています」と総選挙で発言してから数年をかけてAKB48センターへ上り詰めた。いま、指原と同じステージに立ったことで「さっしーを超える」以外の、それ以上の何かが見えている気がする。「AKBを壊したいです」と語った宮脇は、指原とともに新たな道へ歩み進んでいる。その道は、AKB48にとって、HKT48に、宮脇にとって未来への道なのかはまだ見えていないだろう。

しかし、今回のセンターへの選出、「〜サシコ・ド・ソレイユ 2016〜」での力のこもったパフォーマンスを見て、宮脇がAKB48を壊してくれそうな、そんな期待をせずにいられない。舞台は整った2016年、新しい宮脇咲良が、新しいAKB48・HKT48を見せてくれることを期待したい。