ネット上には膨大なED治療薬が売られているが……PureRadiancePhoto / Shutterstock.com

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 年を取っても勃起できるペニスを持つ!

 これは男にとっての究極の夢。だからこそ、勃起できないことを悩む男性が多かったり、精力剤やED(勃起障害)治療薬が次から次へと開発・発売されたりするわけだ。

 男の夢の実現や悩みの解決に一役買うED治療薬。これらは信用できるのか?

男性機能を改善するサプリメントの有効性と危険性

 ED治療薬についての効果や危険性について一つの分析結果を紹介したい。

 米ウェイクフォレスト・バプティスト医療センター(ノースカロライナ州)泌尿器学准教授のRyan Terlecki氏らは、男性機能を改善するサプリメントのうち、売れている製品の成分を分析した。その結果、製品にはイカリソウ、チョウセンニンジン、DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)、イチョウ、コロハ、マカという、天然由来の成分が含まれていることがわかった。

 「こうした天然由来のサプリメントは、軽度の性機能障害の改善には有望だと思われるが、ヒトにおける根拠は不十分であり、不純物や効果の弱さも懸念されるため、患者にルーチンで勧めることはない」と同氏は結論づけた。さらに、「天然由来」を謳う製品の一部には、ホスホジエステラーゼ-5阻害薬(PDE5I)を微量に含むものもある、という報告もあった。

 PDE5Iはバイアグラなどの処方薬に使われている薬品である。これは安全なのだろうか?

 「PDE5Iは、医師の指導のもとで使わなければ、不適切な使用によるリスクが生じる可能性がある。たとえば、重度の心疾患があり、ニトログリセリンなどの硝酸薬を服用する患者では、危険な血圧低下が生じうる。重度の肝障害や末期腎不全の患者も服用を避けるべきだ。また、前立腺肥大治療薬のタムスロシン、テラゾシンなどとPDE5Iを併用すると、めまいや転倒のリスクがある」(同氏)

 上記の持病を持つ場合、PDE5Iが含まれる薬の服用は控えるべきだ。

はびこる偽薬の危険性

 ネット上には膨大なED治療薬が売られている。その中には怪しい製品が数知れない。たとえば、PDE5阻害薬のうち55.4%が偽造品、そのうちタイのサイトは67.8%、日本のサイトの43.6%となっている(「日性機能会誌(2010;25;19-28)」に掲載されている調査)。効かないどころか、健康被害を起こす危険な製品すらある。

 冷汗とふらつきを訴えて救急外来を受診した国内のケースでは、検査の結果、次のようなことが判明した――。重篤な低血糖状態であることや、タイ人の友人からもらった偽薬を服用したために起こった被害であること、そして血中には高濃度のグリベンクラミドが認められた。このケースでは幸い、患者は命を取り留めた。しかし同様の成分が患者から認められたケースの中には、シンガポールで死亡したケースが2例もある。

 偽造品の作成過程は雑で適当だ。前日まで他の薬を作っていたミキサーで偽ED治療薬を製造したためメフェナム酸という抗炎症薬が混入したり、ネズミ駆除の薬が製造過程で混入したり。または業者の"配慮"によって、まったく別の効能のある薬(血糖降下薬など)が入っていたケースすらある。

 偽薬服用の危険性を避けたいのならば、専門の医療機関でEDの検診を受けるべきだ。治療薬は泌尿器科専門医でなくても処方することができる。とはいえ、それでも診てもらえる機関がまだ少ないのが実情であるが。

 今年に入り、朗報が入ってきた。韓国で国内2位のシェアを誇るアジア人向けのED治療薬が、近く発売されるというのだ。「ザイデナ」と呼ばれるこの治療薬、バイアグラに比べ作用時間は3倍の12時間。愛用している韓国人によると、バイアグラよりも効き、副作用が少ないのだそうだ。

 さてその効果はいかに!?
(文=編集部)