四川省紙の華西都市報によると、同省自貢市で1日、肺の疾患で呼吸困難になった患者を搬送する救急車が高速道路の料金所で通行料13元(約30元)を請求され、料金所職員と約7分間にわたり「押し問答」をしていたことが分かった。(写真は華西都市報の同記事報道の画面キャプチャー)

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 四川省紙の華西都市報によると、同省自貢市で1日、肺の疾患で呼吸困難になった患者を搬送する救急車が高速道路の料金所で通行料13元(約30元)を請求され、料金所職員と約7分間にわたり「押し問答」をしていたことが分かった。

 患者は70歳で、肺の疾患のために同市栄県内の病院に入院していた。1日夜になり症状が悪化し、呼吸困難になった。同病院の医師は「深刻な状態」と認識し、設備が整っている自貢市第一人民医院(病院)に転院させることにした。

 患者を乗せた救急車は栄県から自貢市市街地までは直線でも20キロメートル以上はあり、救急車は高速道路を利用した。午後8時半ごろに料金所を通ろうとしたところ、料金所職員が通行料の13元を要求した。救急車側は「重病人を乗せている。早く通してくれ」と言い、患者搬送時には料金を支払う義務がないと主張した。

 料金所職員は「無料にする規則はない」と言ったので、押し問答になった。後続の車が通行できないので、長い車列ができたという。約7分後に救急車側があきらめて料金を支払い、患者を自貢市第一人民医院まで搬送した。

 搬送が長引いたことが患者の容体に影響を及ぼすことはなかったが、患者家族は「もし、7分間遅れたことで容体が悪化したら、だれが責任を取るのか?」と話しているという。

 救急車を運転していた職員は、「これまで患者を搬送していた時には、料金所職員に事情を告げると無料で通してくれた。搬送時以外には料金を払っている。慣例通りに無料通行にすべきだと思い、議論を始めた。時間が経過しすぎたことに気づき、自分から料金を支払って搬送を続行した」と説明した。

 高速道路の運営会社は、全国法規である「収費公路管理条例(有料道路管理条例)」で、無料通行をさえるべき車両の種類が定められているが、救急車は含まれていないと説明。ただし現場の職員が、搬送されている患者の生命に危険が及ぶとした場合には、臨機応変な対応をするという。

 1日夜に発生した事態については、救急車はサイレンを鳴らしていなかったので、まず「緊急事態ではない」と判断したようだという。その後、救急車側スタッフが延々と議論をしはじめたのでなおさら、「一刻を争う事態ではないな」と思ったという。

 救急車の有料道路通行についての定めは地方により異なり、黒龍江省は2003年に制定した条例で、「政府が運営する公益機関である救急センター」の業務に付随するとして、救急車が高速道路を利用する場合には「一律無料」にしているという。

 全国法としては、1988年に指定された法律では、有料の高速道路や橋、トンネルを通過する際の料金免除の対象となる車両のひとつとして「救急車」が指定されていた。ところが2004年に制定された「有料道路管理条例」の指定では「救急車」が含まれていなかった。「有料道路管理条例」の施行により、古い法律は不要とされ07年に廃止された。そのため、現在も「救急車」は全国法としては有料道路の無料通行を認める対象にはなっていないという。

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◆解説◆
 「有料道路管理条例」で、無料通行を認める車両の筆頭に挙げられているのが軍用車両だ。だらに、警察車両が事故処理で乗り入れる場合や、パトロールや事件処理のために通行する場合も無料通行できる。

 さらに、政府が指定する災害発生に対応する車両や、一部の農業用車両も無料で通行できる。救急車や消防車は対象に含まれていない。(編集担当:如月隼人)(写真は華西都市報の同記事報道の画面キャプチャー)