「見えない油」にご用心!”気づかずカロリーオーバー”が招く悲劇

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最近、“油(脂質)が私たちの身体に不可欠なもの”ということが知られてきたこともあり、油を積極的に摂ることで健康になろうと奨める記事や書籍などを目にする機会は多いですよね。

しかし、ひとくちに油といっても全てが同じわけではありません。実は、現代の日本人がすでに摂り過ぎている油もあるのです。それは……。
「見えない油」にこそ注意が必要!
油の1日の摂取量の目安は、年齢や性別によっても変わってきます。

例えば、運動量の差によっても異なりますが、30代女性なら1日大さじ4杯程度(50g)以下が目安となります。

「私は、油ものはあまり摂らないから大丈夫だわ」「調理するときに、そんなに油は使ってないからOK」だと思う方も多いかもしれません。しかし、油そのものを食べていないからといって、決して油断はできないのです。

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注意しなければいけないのは、「大さじ4杯」には「目に見えない油」も含まれるということ。市販の菓子類やパンの中にも油は含まれています。

例えば、あるインスタントラーメン77gの中に含まれる油は12・3gもあります。これだけで、1日に必要な油の4分の1の量にもなっているのです。

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とくに加工品や市販品を利用することが多い人は、知らず知らずに摂取している油があることを忘れないようにしなければなりません。
さまざまな油をバランスよく食べる
どんな栄養素もバランスよく摂ることが大事ですが、それは油も同じです。

「油=脂質」には、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸がありますが、これらをバランスよく摂取するのが健康の秘訣です。

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多可不和脂肪酸の中でも、「オメガ3」系と呼ばれる油と「オメガ6」系と呼ばれる脂肪酸は、ともに体内で作ることができません。ですから、この2つは食品から摂取する必要があります。

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ところが現代の日本人の食生活では、すでに「オメガ6系」の油が過剰になりすぎているのです。

というのも、オメガ6系の油であるリノール酸は、スナック菓子、菓子パン、ファストフードなどに多く含まれており、これらの食品を一切摂っていないという方は、ほとんどいないのではないでしょうか?

原材料に「植物油」「加工植物油脂」と表記してある商品にはリノール酸が含まれており、それらの商品を口にするとき、私たちはオメガ6系の油を知らないうちに口にしているのです。

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先ほどの「目に見えない油」と同様、私たちは知らず知らず、オメガ6系の油を摂り過ぎる傾向にあるのです。そのため、油を摂るときは意識的にオメガ6系の油を減らすことが大事なのです。
オメガ6系を減らして、オメガ3系を増やす
オメガ6系の油とは、ごま油や大豆油、グレープシードオイルなどです。とくに大豆油は安価なため、世界中で消費されているポピュラーな油です。

適度に摂取すれば健康によいのですが、現代の生活では摂り過ぎることも多いので注意しましょう。

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では、どのように注意するのか。それは、オメガ6系の油はなるべく減らすようにして、逆に、青魚やえごま油などに含まれるオメガ3系の油を増やすように意識してみます。

オメガ3系、オメガ6系のバランスは、1:4が理想的といわれています。
話題のココナッツオイルも摂り過ぎには注意
ココナッツオイルは消化されやすい中鎖脂肪酸を約50%も含んでいるのが特徴で、そのため「身体につきにくい油」として注目されました。揚げ油などにも使えるので、ダイエットに利用している人も多いのではないでしょうか?

また、ココナッツオイルを摂取していたポリネシアの住人に心臓病がほとんどなかった、という過去の調査もあるそうです。

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しかし、このココナッツオイルも摂り過ぎはカロリー摂取過多になってしまいます。

なんでもそうですが、身体にいいからといって過剰に摂取するのはよくありません。さまざまな栄養素を、なるべくまんべんなく摂りいれるのが健康的といえるのです。

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出典:『ホントによく効く油の正しい選び方・使い方』(日本文芸社)より

<監修者プロフィール>

守口徹(もりぐち・とおる)

日本脂質栄養学会副理事長。国際脂質脂肪酸学会理事。横浜市立大学卒業後、製薬会社の薬理部門に勤務。国立がんセンター研究所、東京大学薬学部に研究出向の後、同大学で博士号を取得。1997年、客員研究員として米国国立衛生研究所(NIH)で脂肪酸と脳機能に関して研究。2008年より麻布大学生命・環境科学部に奉職、現在に至る。

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