写真提供:マイナビニュース

写真拡大

●女性ホルモンとの関係
かつてに比べると、現代は女性が恋愛や性生活をオープンに語るシーンが格段に増えたように感じます。でも実際には、仕事が忙しくてずっと恋愛もセックスもしていない女性や、パートナーとセックスレスの状態が続いている女性だって多いはず。

では、「セックスしないこと」が、女性の体に何か悪影響を及ぼすことはあるのでしょうか?

○不満がなければ問題なし

「長い間セックスしていないと女性ホルモンが減る」「セックスしないと婦人科系の病気になりやすい」などと、セックスレスが体に悪いような説を耳にすることがありますが、これらの説に科学的な根拠はありません。つまり、セックスから遠のいていることが、直接的に女性の体に何らかの悪い影響を及ぼすことはないでしょう。

ただし、恋人や夫との間にセックスがないことを女性自身が悩んでいる場合などに、ストレスから心身に不調をきたすことは十分にありえます。逆に言えば、どんなに長い間セックスしていなくても、本人が苦痛や不満を感じていなければ、何の問題もありません。

○セックスのプラス面

確かにセックスには、女性の体や心にプラスの影響を与える側面があります。女性がセックスでオルガスムスを感じると、脳から、共感・絆ホルモンとして知られる「オキシトシン」と、幸せホルモンである「セロトニン」が分泌されます。

気持ちのいいセックスをすると、これらのホルモンの働きにより、パートナーとの絆が深まり、幸福感を得ることができます。よく「セックスで女性がきれいになる」と言われるのは、幸せな時間を過ごすことで毎日が充実し、美容やおしゃれにも力が入るためでしょう。また、特定のパートナーと定期的にセックスしている人は、パートナーが胸のしこりに気づきやすく、乳ガンを早めに発見・治療できるというメリットもあります。

●恋人でも強要は「デートDV」に
○苦痛を伴うセックスはマイナス

一方で、セックスにはマイナス面もあります。まずあげられるのは、望まない妊娠や性感染症(STD)のリスク。コンドームをつけない、不特定多数の相手がいるなど無防備なセックスをしている場合は、さらにリスクは上がります。

また、相手や状況によっては、セックス自体が女性の心身に負担をかける可能性があるということ。気が進まないセックスや、相手からの暴力などでセックスに苦痛が伴う場合は、当然、オキシトシンとセロトニンは働かず、セックスで幸福感を得ることはできません。むしろストレスの方が大きくなり、ホルモンバランスの崩れから、肌荒れや月経不順、情緒不安定などの症状が出ることも考えられます。

パートナーがセックスを求めてきたとき、「相手に悪いから」「私は我慢しなくちゃ」と自分の気持ちを抑えて応じてしまうのは良い関係ではありません。交際相手からの暴力のことを「デートDV」といい、それには性的暴力も含まれます。自分の気持ちに反し、無理にセックスするのはおすすめできません。

○男性の場合はどうなの?

ちなみに男性の場合も、長期間セックスもしくは射精をしなかったからと言って、体に直接的な悪影響はありません。男性の精巣では毎日新しい精子がつくられますが、たまり続けるわけではないので、射精されなければ、古い精子は自然に体内に吸収されていきます。

とは言え、男女の性欲の感じ方には違いがあり、女性にはそれほど性欲を感じない人も少なくないのに対し、男性は、適度な頻度で射精しないとストレスを感じる人が多いようです。セックスはパートナーとの関係性にも影響を与えるもの。前述したとおり苦痛を伴う場合は別ですが、もし自分本位でセックスするかどうか決めている場合は、パートナーとの間に溝ができてしまうかもしれません。パートナーがいる人は、セックスに対する自分の気持ちを積極的に伝えつつ、相手の気持ちも考えていくことが大切です。

※画像は本文と関係ありません

○記事監修: 善方裕美 医師

日本産婦人科学会専門医、日本女性医学会専門医
1993年高知医科大学を卒業。神奈川県横浜市港北区小机にて「よしかた産婦人科・副院長」を務める。また、横浜市立大学産婦人科にて、女性健康外来、成人病予防外来も担当。自身も3人の子どもを持つ現役のワーキング・ママでもある。

主な著書・監修書籍
『マタニティ&ベビーピラティス―ママになってもエクササイズ!(小学館)』
『だって更年期なんだもーん―なんだ、そうだったの?この不調(主婦の友社)』
『0〜6歳 はじめての女の子の育児(ナツメ社)』など

(エフスタイル)