経済成長に伴い、中国では北京や上海など大都市における鉄道交通網が急速に整備されつつある。地上には在来鉄道と高速鉄道が走り、地下には東京に引けを取らないほどの地下鉄路線……昔の不便さを思うと、隔世の感がある。しかし、東京や大阪などと比べて何か物足りなさを感じる。それは、私鉄と近距離路線の存在だ。(イメージ写真提供:123RF)

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 経済成長に伴い、中国では北京や上海など大都市における鉄道交通網が急速に整備されつつある。地上には在来鉄道と高速鉄道が走り、地下には東京に引けを取らないほどの地下鉄路線……昔の不便さを思うと、隔世の感がある。しかし、東京や大阪などと比べて何か物足りなさを感じる。それは、私鉄と近距離路線の存在だ。

 中国メディア・東方早報は2日、「2040年の上海 都市近郊鉄道をどう建設するか」とする記事を掲載、交通インフラが発達したものの同市中心部から近郊のニュータウンまで往復4時間以上かかる現状を指摘したうえで、日本の首都圏における鉄道計画が大いに参考になると論じた。

 記事は、東京近郊鉄道網づくりのポイントとして、山手線を中心に放射状に延びるJRの近距離路線と山手線内の地下を網羅する地下鉄、郊外のニュータウン建設と組み合わせた私鉄ないしは第三セクターによる路線の発展を挙げた。

 そして、未来における上海の近郊鉄道づくりに向けた提案として、上海に頻繁に乗り入れる既存の国有鉄道資源の活用、都市と近郊のニュータウンを結ぶ快速鉄道路線の建設および地下鉄線との接続、政府・企業・金融機関の共同出資による鉄道インフラ作り、ニュータウンの計画・建設と組み合わせた路線建設への民営企業・団体の参画奨励を掲げている。

 ニュータウン建設が鉄道敷設とセットになり、国鉄(現在のJR)に加えて私鉄が首都圏の近郊鉄道網発展で大きな役割を担ったというのは確かにその通りである。しかし一方で、京成なら成田山、京王なら高尾山、小田急なら箱根・江の島といったように、一部私鉄の鉄道開発は観光スポットへのアクセスを目的に進められた歴史を持っている。ベッドタウンと都心を結ぶ通勤・通学の足だけではなく、郊外の観光地に足を延ばすための交通手段として利用されていることも併せて認識しておくべきではないだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)