フィリピンで5月9日に投票が実施される大統領選挙で、有力候補の1人であるロドリゴ・ドゥテルテ氏(ダバオ市長)が1月19日、「私の祖父は中国人。だから中国とは戦争をしない」などと語っていることが分かった。中国メディアの環球網などが報じた。(イメージ写真提供:123RF)

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 フィリピンで5月9日に投票が実施される大統領選挙で、有力候補の1人であるロドリゴ・ドゥテルテ氏(ダバオ市長)が1月19日、「私の祖父は中国人。だから中国とは戦争をしない」などと語っていることが分かった。中国メディアの環球網などが報じた。

 中国とフィリピンは現在、南シナ海の島の領有権を巡って、激しく対立している。ドゥテルテ氏は同問題について、「私が当選したら、中国がテーブルについてくれさえすれば、話し合いをする」、「私は戦争をした場合の代償に耐えられない。戦争は私の祖国を破壊してしまう」と述べ、続けて「私の祖父は中国人。だから中国とは戦争をしない。福建には親類もいる」と補足したという。

 ドゥテルテ氏は、大統領に当選したら3カ月から6カ月の間に薬物、犯罪、汚職の問題を解決すると約束したという。

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◆解説◆
 最後の発言は「実現不能なリップサービス」のように思えるが、ドゥテルテ氏の過去の「実績」を見ると、あながち本気であるのではとも思ってしまう。

 ドゥテルテ氏がダバオ市長に就任した1988年まで、同市は「犯罪都市」と呼ばれていた。ドゥテルテ市長は犯罪者を撲滅するために自警団を結成し、法律に関係なく「犯罪しゃとみなされた者」の殺害を不問にした。また、犯罪組織の幹部を殺害して証拠を示すことができた市民にも、高額の報奨金を与えた。

 アムネスティ・インターナショナルなど人権団体などはドゥテルテ氏を厳しく批判している。ドゥテルテ市長は「私自身は殺人には関与していない」と述べている。

 ダバオは通常の犯罪組織だけではなく、海賊の根拠地でありテロ組織も存在した。ドゥテルテ氏はいずれも、壊滅に追い込んだ。犯罪が激減したことで、同市観光局は「東南アジアで最も安全な都市になった」と宣言した。

 2015年12月下旬に結果発表された世論調査では、ジェジョマル・ビナイ副大統領が、有権者33%の支持を得てトップ。ドゥテルテ市長の支持率は23%だった。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)