3日、米ミズーリ州コロンビアの地元紙ミズーリアンは、ミズーリ大学のアジア系の学生が人種差別に遭っていると報じた。写真はミズーリ大学。

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2016年2月3日、米ミズーリ州コロンビアの地元紙ミズーリアンは、ミズーリ大学のアジア系の学生が人種差別に遭っていると報じた。

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記事によると、ミズーリ大学に通う韓国人学生Jang Yu−seungさんは、学内を歩いていたときに白人の学生から侮辱的な言葉を浴びせられ、つばを吐かれたという。Jangさんは当時、どうすればよいかわからず、戸惑ったそうだ。

昨年秋の時点で、ミズーリ大学には2303人のアジア人留学生が在籍している。アジア系の米国人学生も含めると、その数は3082人となる。同大学はこれまでにも、アフリカ系の学生が人種差別改善を訴えデモを行っているが、それに比べるとアジア系の学生から上がる声は少ない。

学内の寮に住む韓(ハン)さんには、白人の学生が部屋のドアを力いっぱいたたいて逃げるといった嫌がらせも行われている。韓さんは、「私がアジア系だからというだけで、彼らは私の外見や言葉、すべてを嫌っている」と話す。しかし、こうした差別を報告しようとしたことはない。その後にどんな報復を受けるかわからず、また報告したところで意味がないことが分かっているからだ。

学生が声を上げない理由には、留学生という身分が関係していることもある。中国人でメディア学科の孫(スン)さんは、「私たちはここに勉強しに来たのであって、社会を変えに来たのではない。面倒を起こしたくない」と話している。孫さんも以前、白人の女子学生から差別的な言葉をかけられたことがある。「気まずくて傷ついた。白人は中国人が好きではないのだと思った」と話す。孫さんはこのことを寮の管理員に伝えたが、「調査する」と言われたきり、音沙汰はない。

同大学は昨年10月に、すべての学生や教職員を対象として、文化の多様性や包容性を養成する講義を受けさせると発表したが、担当者は「講義は1年を通して行われるため、初めは完全ではないかもしれない」と話す。また、差別問題を専門に処理する事務室も新設されたが、Ellen Eardley福教務長は、「事務室を最大限に活用するには、学生たちが積極的に差別行為を報告しないといけない」と話している。(翻訳・編集/北田)