まずは冷えや体のむくみ対策を(shutterstock.com)

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 気象庁によれば、東京都内の2月平均最低気温は、-2.8℃。2月は空気が乾燥し、寒さで体の抵抗力が一気に低下するため、ウイルスや細菌による感染症のリスクが高まる。

 しかも、部屋にこもりがちで運動不足になりやすいので、血流が悪くなり、体温が下がる。体温が1度下がると抵抗力が30%も下がるといわれる。とりわけ、この悪循環が招く冷えや体のむくみは、妊婦の大敵だ。

冷えとむくみに気をつけて、しっかり防寒対策を!

 「冬来たりなば春遠からじ」。とはいえ、桜の開花にはまだ日がある。今年、おめでたの妊婦さんが健やかな赤ちゃんを無事に出産できるように、冷えとむくみの対策を簡単にまとめよう。

 体を構成する60兆個の細胞に栄養と酸素を送り、老廃物を持ち帰っているのは血流だ。体温を高めながら、血液循環を促し、全身のホメオスタシス(恒常性)を維持しておきたい。

 血流の悪化はなぜ起きるのか? お腹が徐々に大きくなるに伴って姿勢が崩れやすく、同じ姿勢で生活する習慣が身につくので、血流が滞り、冷えや、むくみを生じやすくなる。

 また、お腹が大きくなってくると、十分な運動がしづらいために、全身の筋肉量が減るので、熱産生が弱まり、冷えやすくなる。さらに、妊娠中は自律神経が乱れ、ホルモンバランスが変化することから、血管が収縮するので、血流が悪くなり、冷えやむくみを招く。

 妊娠中の冷えやむくみは、出産にどのような悪影響があるのか? 赤ちゃんは冷えを感じると、お腹の中での居心地が悪いため、胎動が鈍くなることから、逆子になりやすくなり、難産のリスクが強まる。また、体温が低くなり、血流が悪くなれば、血液から作られる母乳の出が悪くなり、質も低下する。

 冷えの対策は、母体にとっても、赤ちゃんにとっても重要だ。

 薄着をしない、温かい食べ物や飲み物をとる、太陽光を浴びる、ネックウオーマーやマフラーなどで首を保護する、散歩など適度な運動をする、床暖房やホットカーペットで頭寒足熱(頭を冷やし足を温める)する、ぬるめのお湯に入る、眠るときは湯たんぽを抱くなどを心がけ、意識して体を温めよう。

妊婦が感染すると小頭症の赤ちゃんが生まれる恐れも

 妊婦さんたちに、さらに気をつけてもらいたいのがジカ熱だ。

 国立感染症研究所や世界保健機関(WHO)によると、ジカ熱はジカウイルスが引き起こす感染症で、2〜7日の潜伏期間を経て発熱・発疹・筋肉痛などの症状を伴う。症状は7日以内に治り、感染してもおよそ8割の人は発症しない。

 だが、妊婦が感染すると怖い。先天的に頭が小さいために脳の発育不全につながる小頭症の新生児が生まれるリスクが高くなる。ジカ熱は、手足の筋力低下に苦しむ神経障害のギラン・バレー症候群にも関連するといわれるので、注意が必要だ。

 ジカウイルスは、1947年にアフリカのウガンダの森に生息する猿から発見され、5年後に人への感染が確認された。ジカ熱は、ジカウイルスを持ったネッタイシマカに血を吸われると発症するが、人から人への感染はまずない。

 2016年2月現在、ブラジルをはじめ中南米など28の国や地域に広がっている。WHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、1年間に感染者は300万〜400万人に増えると警告する。緊急事態宣言は、2014年8月に西アフリカで猛威を振るったエボラ出血熱を警告して以来だ。

 ジカ熱は日本でも広がるのか? ジカウイルスを媒介するヒトスジシマカは国内にも生息し、デング熱なども運ぶ怖い刺客だ。活動時期は5〜10月なので冬期は流行の恐れは低いが、活動時期に感染者が入国し、その人を刺したヒトスジシマカが他の人へ媒介すれば、感染が広がる恐れは十分にある。

 ジカ熱に有効なワクチンや特効薬はない。特に2月開催のリオのカーニバルや8月開催のリオロ五輪なども不安材料だ。流行国に渡航する時は、ヒトスジシマカに刺されないように、虫よけや肌を露出しない衣服を準備するなどの防止対策が欠かせない。
(文=編集部)