28日、韓国で起こったセウォル号の惨事を描いたドキュメンタリー映画を上映したことで、行政からの圧力を受けている釜山国際映画祭の執行委員長が韓国のテレビ番組に出演、圧力に屈しない姿勢を改めて示した。写真は釜山国際映画祭会場。

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2016年1月28日、韓国で起こったセウォル号の惨事を描いたドキュメンタリー映画「ダイビング・ベル(原題)」を上映したことで、行政からの圧力を受けている釜山国際映画祭(BIFF)執行委員長のイ・ヨングァン氏が韓国のテレビ番組に出演、「上映の決断は間違っていなかった」との見解を述べた。韓国・マイデイリーなどが伝えた。

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事の発端は14年10月のBIFF。同年4月に起こったセウォル号の惨事をめぐる政府の対応を問題視した同作品は、釜山市から上映の中止要請を受けていたが、イ委員長らが作品の意義を鑑み上映を強行したのだ。以降、市や政府機関からBIFFへの圧力は続いたが、このほど映画祭の会計処理に不正があったとして、釜山市がイ委員長を詐欺容疑で告訴するに至った。しかしイ委員長が責任を取り辞任すれば、起訴を取り下げるという。

こうした中でテレビ出演したイ委員長は「また同じ状況になっても『ダイビング・ベル』を上映する。選択の余地はない」と述べ、圧力に屈しない姿勢を改めて示した。

一方、映画界では「BIFFを守ろう」との動きが広まっている。23日には韓国の5つの映画祭がBIFFと映画界の危機を訴える共同声明を発表、日本をはじめ海外からも、映画界への政治介入を危惧する監督や映画祭が「I Support BIFF」キャンペーンに賛同の意向を示している。

これについて、韓国のネットユーザーからはさまざまなコメントが寄せられている。

「米国なら仮に映画に虚偽があってもみんなフィクションだと分かって楽しむけど、韓国のように政治の扇動がひどい国では、『ダイビング・ベル』の内容をすべて真実だと思った人が騒ぎ出すから問題なんだよ」

「人々をあおる映画かどうかが重要なのではなく、どんな映画であっても、判断するのは観客の役目。主催者や行政が判断することじゃない」
「映画祭を実行する人たちが判断すること。なぜ政府や地方自治体が外圧をかけるんだ!」

「イ委員長を応援します」
「表現の自由も、観客の判断も結構だけど、それは自分のお金で上映した場合の話。政府予算を使っての上映は別の話だろう」

「『ダイビング・ベル』は真実を描いた映画だ!まずは見てから意見を!」
「スポーツや文化にまで上の人間が口を挟むようになったら、その国はもう終わり。芸術の純粋性をどうか守って」(翻訳・編集/吉金)