ネットメディアの鳳凰網は1日、日本人は「西遊記」の物語を用いて、極めて多彩な作品を作ってきたと紹介した。(写真は鳳凰網の1日付報道の画面キャプチャー)

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 香港に拠点を置き、中国大陸を始めとする中華圏全体に向けて記事を配信しているネットメディアの鳳凰網は1日、日本人は「西遊記」の物語を用いて、極めて多彩な作品を作ってきたと紹介した。

 記事は、中国人は子どものころに「西遊記」の「公式イメージ」をほぼ固めてしまうと指摘。呉承恩(1506-1582年)による定本の「西遊記」にもとづくものと論じ、「孫悟空文化の輸出」を受け入れた日本人がさまざまな「西遊記」を作り続けたこととの違いを論じた。

 日本人の「西遊記」ファンとしてはまず、中国でも著名な手塚治虫氏(1928-1989年)を挙げた。幼いころから大好きな物語で、1941年に中国で制作された、西遊記のエピソードにもとづく「鉄扇公主」というアニメに感動したという。手塚氏は、子どもの自分に「鉄扇公主」から受けた感動を忘れなかった。記事は、手塚氏は1988年に訪中した時、同作品の監督だった万籟鳴氏(1900-1997年)を訪ねたと紹介した。

 最近では、西遊記を下敷きにアイデアを膨らませた鳥山明氏の「ドラゴンボール」が日本だけでなく、世界的な大ヒット作品になったことに注目。ドラゴンボールの「悟空」は、快活でくよくよせず、自由奔放に振る舞うあたりは「西遊記の孫悟空」と同じだが、猿の姿ではなく人の姿になっており、原作とは全く関係のないストーリーであることで、「日本は新しい『西遊記文化』を作り始めた」と論評した。

 中国では、「西遊記」に対する固定概念が強いため、「ドラゴンボール」を見ても原作を連想する人は、少ないという。

 記事は、江戸時代に日本で出版された西遊記の書物にも触れた。葛飾北斎を始めとする有名な絵師が、挿絵を手掛けていると紹介した。さらに、川で水浴びをする「女の妖怪」7人に対して、鯉に化けた猪八戒がいたずらをするシーンでは、「女の妖怪が完全に日本人風」に描かれていると例を挙げ、日本では早くから「西遊記の本土化」が進んだと論じた。

 夏目雅子(三蔵法師)、堺正章(孫悟空)、西田俊之(猪八戒)、岸部シロー(沙悟浄)が出演したテレビドラマ版の西遊記も紹介。同作品は1978年に放送が始まった。記事は、西遊記を世界で最も早くテレビドラマにしたのは、おそらく日本と論評した上で、三蔵法師役に女性を登場した奇抜さを指摘した。そして、日本ではその後、テレビドラマで女性が三蔵法師を演ずるのが「伝統」になったと紹介した。

 中国では1986年に連続テレビドラマとして「西遊記」が制作された。監督の楊潔氏は、参考にしようと日本や台湾で制作されたドラマ版・西遊記を見たが、日本作品は劇中で石油が噴出したり、そもそも女優が三蔵法師を演じているなど原作から離れすぎており、参考にはならなかったという。

 楊氏は日本のテレビドラマ版「西遊記」について、自分自身は受け入れられなかったが、「想像力と創造力に富んでいる」作品と評したという。(編集担当:如月隼人)(写真は鳳凰網の1日付報道の画面キャプチャー)