中国政府・外交部の陸慷報道官は3日の定例記者会見で、核実験を繰り返す北朝鮮を、「関係国にビンタを食らわせた」と表現した。同国が予告したロケット/ミサイル発射について「してはならない」と批判したが、強い口調を避けた。中国は2日、朝鮮半島問題の責任者である武大偉特別代表を北朝鮮に派遣している。武特別代表が発射を断念するよう説得中であるため、陸報道官はこのところの北朝鮮批判のトーンをやや後退させた可能性がある。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国政府・外交部の陸慷報道官は3日の定例記者会見で、核実験を繰り返す北朝鮮を、「関係国にビンタを食らわせた」と表現した。同国が予告したロケット/ミサイル発射について「してはならない」と批判したが、強い口調を避けた。中国は2日、朝鮮半島問題の責任者である武大偉特別代表を北朝鮮に派遣している。武特別代表が発射を断念するよう説得中であるため、陸報道官はこのところの北朝鮮批判のトーンをやや後退させた可能性がある。

 陸報道官はまず、北朝鮮が2月8日から25日の間に「衛星『光明星』を打ち上げる」と発表した問題に対する中国側の姿勢を説明。最初に原則論として「朝鮮(北朝鮮)も本来、宇宙を平和開発する権利を持つ」と論じた上で、「安保理決議の制限がある」として、「自制を保ち、慎重に行動し、半島の緊張をさらに高める恐れのあることをしてはならない」と述べた。

 陸報道官は、朝鮮半島情勢のこれまでの経緯を振り返り、2005年9月19日の共同宣言と、07年2月13日の合意文書に触れた。05年の共同宣言で北朝鮮は「すべての核兵器と現有の核開発計画を放棄し、核拡散防止条約に復帰する」と認め、07年の合意文書では、核関連施設の稼働停止の具体的スケジュールが盛り込まれた。

 陸報道官は05年の合意などについて「よいことだった」と表現し、一方で「実に遺憾なこと」として、上記の合意は実現されていないと述べ「決して中国側による原因ではない」と主張した。

 さらに、「関連する国が圧力強化と制裁を主張する中で、朝鮮は1回、また1回と核実験を実施した。この意味から言って、北朝鮮は関連する国にビンタを食らわせた。そのビンタが、だれの顔に向けたものであったかは、だれにとってもはっきりとしている」と述べた。

 陸報道官の「ビンタ」発言は、「打撃を受けたのは、強硬策を取った米国など」と読めるが、「六か国協議などで努力を続けた中国も打撃を受けた」とも理解できる。

 中国版ツイッターの「微博(ウェイボー)」では、同ニュースに対するコメントが多数集まった。自国の外交のふがいなさや、中国の責任ではないと主張することを非難する書き込みが、多くの「いいね」を集めている。

 「この外交官は北京の下町から丹念に選抜してきたのだろ。人の悪口を言う能力に熟達している」、「核兵器が大事態を引き起こしたら、だれがひどい目に合うかは、だれにとってもはっきりとしている(隣国の中国に決まっている)」といったコメントが目立つ状態だ。

 中国政府は、北朝鮮問題について自国の責任者である武大偉朝鮮半島問題特別代表を2日、ピョンヤン(平壌)に派遣した。北朝鮮にロケット/ミサイル発射を思いとどまるよう説得するのが目的であるのは確実だ。しかし北朝鮮は武特別代表の滞在中の3日に打ち上げスケジュールを発表した。武特別代表の説得は難航していることも確実だ。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)