浙江省の地元紙、銭江晩報によると、同省杭州市内で仕事をする男性が、飲食店で昼食用の料理を買ったところ、中からゴキブリが出てきた。改めて店まで行って苦情を言ったところ、店員は「それはエビです」と言ってゴキブリの混入を認めようとしなかった。(写真は銭江晩報の3日付報道の画面キャプチャー)

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 浙江省の地元紙、銭江晩報によると、同省杭州市内で仕事をする男性が、飲食店で昼食用の料理を買ったところ、中からゴキブリが出てきた。改めて店まで行って苦情を言ったところ、店員は「それはエビです」と言ってゴキブリの混入を認めようとしなかった。

 日本の「超高級ホテル」での勤務経験のある人に、「客から苦情を言われた場合の対処法」について尋ねたことがある。ホテル側に落ち度があった場合にはもちろん謝罪をし、誠実に対応せねばならない。だが、理不尽な要求をする客もいる。そのような場合には毅然として拒否する。その見極めが大切とのことだった。

 中国の場合、企業が「不適切な商品」を売ってしまった場合にも、担当者が事実を認めず「驚愕の言い訳」をすることで、問題が深刻化することが目立つ。

 中国人は春節(旧正月)を盛大に祝う。今年(2016年)の場合は2月8日だ。大型連休となるため、勤め人にとって1月末ごろからは、とりわけ忙しくなった。杭州市内で仕事をするZさんも2日、多忙を極めていた。午後1時になってやっと昼食を取れる段取りになった。

 「今日は忙しいから、食べ物を買ってこよう。食べながら、少しでも仕事を進めよう」と思った。通りに出て目に入ったのが焼きギョーザやその他の料理を供する飲食店だった。テイクアウトもできる。「100年の老舗」と謳い、現在は企業の形態でチェーン展開する有名店だ。

 デスクに戻って食べ始めた。半分ほど食べ終わった時だった。炒め物の緑の野菜の上に、なにか濃い褐色のものがある。いやな予感がした。箸が停まった。改めてよく見た。ゴキブリが「炒め物の具」になっていた。

 Zさんは「胃がひっくりかえるような感じがしました。本当にそう感じたんです。なにしろ、半分ぐらいは食べていましたからね。それまでに、ゴキブリを何匹食べてしまったのかと思いました」と説明した。想像もしたくないという。

 改めて、すぐに「100年の老舗」に向った。店員に「店の責任者はいるか?」と尋ねた。すると上役らしい店員があらわれ、「銀行に行っています」と言った。そこでZさんは、食べ残しの入った容器の蓋を開け、ゴキブリを見せた。

 Zさんによると、その時には経緯を説明して謝罪してほしかっただけだったという。ところが驚いた。明らかにゴキブリの形をしているのに、その店員は平然と「エビですよ」と言い始めた。Zさんは「キレ」た。「ならば、同じ料理を作れ。カネはこちらが払う。できた料理を、あんたが食え」と詰め寄った。昼下がりの「100年の老舗」で、口論がエスカレートしていった。

 そのうちに、店長が戻ってきた。店長は、「本部」に電話連絡して指示を仰ぐといった。とりあえず、Zさんに異存はなかった。しかし、店長が伝えた「本部の指示」に、Zさんは改めて仰天した。「こちらでは責任を持てない」と告げられただけだったという。

 Zさんは本部に自分で電話をかけることにした。相手はZさんの言葉を理解しようとしない。長々と話して、やっと「マネージャー」と称する人物が出てきた。マネージャーは「では、500元分の食事券を差し上げます」と言った。Zさんは全く納得できなかった。そこで銭江晩報の「情報提供ホットライン」に連絡したという。

 Zさんは、中国で現在適用されている、変質した食品を売った場合の「退一賠十(返品した商品金額を1として、その10倍を賠償)」のルールを適用すべきだと主張。この金額が200元だ。さらに100元の慰謝料と、「ゴキブリを食べてしまったかもしれないので、病院で検査を受けたい」として検査費の500元を加算して計800元(約1万4400円)を要求したという。

 銭江晩報によると、Zさんの電話に対応したというマネージャーに話を聞くことができた。店員が「エビです」と説明したことは、「不適切でした」と認めた。そして、料理にゴキブリが混入したことについて、Zさんに謝罪したいと述べた。Zさんに対して支払う金額は、上司に相談すると言った。

 その日のうちに、銭江晩報記者にマネージャーからの電話が入った。社長が「500元分の食事券でよい」と主張するので、Zさんの要求には応じられないと説明した。(編集担当:如月隼人)(写真は銭江晩報の3日付報道の画面キャプチャー)