Magic Leap、IT史上最大規模の資金調達で中国市場もターゲットに

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中国の大手Eコマース企業アリババが主導した投資ラウンドで、インターネット史上過去最大規模の資金調達を達成した。いまだに事業の詳細は明らかにされていないが、CEOは「すべての業務が加速している」と述べている。

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米フロリダ州に本社を置く「シネマティック・リアリティ・デヴァイス」を開発中の謎の多いスタートアップ、Magic Leapが7億9,350万ドルを調達した。

シリーズ「C」ラウンドとしては、インターネットの歴史上、過去最大額かもしれない。「今回の資金調達で、自信をもって広い視野でローンチを考え、長期的な決断をすることが可能になります」とMagic Leap CEOのロニー・アボヴィッツは語った。

今回の投資ラウンドを主導したのは、中国の大手Eコマース企業アリババだ。アリババの蔡崇信(ジョゼフ・ツァイ)副会長はMagic Leapの役員に加わる予定だ。既存投資家のグーグルとクアルコムは揃って今回の最新ラウンドにも参加している(グーグルのCEO、サンダー・ピチャイはすでに役員として参加している)。ワーナー・ブラザースや多くの金融機関(フィデリティやJPモルガンなど)が新しく投資に参加している。今回の投資後のMagic Leapの評価額は45億ドルとなる。

アボヴィッツによれば、今回の投資でMagic Leapは製品を市場へ送り込むまでの期間を短縮することが可能になり、中国市場での戦略的な関係構築も狙っているという。アボヴィッツは「わたしたちはあらゆる面で加速している」と語り、Magic Leapがサプライチェーン業務に取りかかっていること、同社デヴァイスの部品の一部をすでに、フロリダ州デイニア・ビーチにある本社からそれほど遠くない場所にある工場で製造していることなどに触れ、「そのすべてが加速している」と述べた。アボヴィッツはMagic Leap製品が消費者の手に届く日程については明かさなかった。

Magic Leapの技術は、そのほかいくつかの仮想現実(VR)と拡張現実(AR)の競合製品と共に、コンピューターの使用法を大きく転換することになるだろうと多くの人々が信じている。あらゆる所にセンサーを設置し、センサーから得られる大量のデータを処理することで、さらに優れた没入型環境をつくり出し、現実世界にリアリティーのあるデジタル画像を重ねることが可能になる。

フェイスブック、サムスン、マイクロソフトはMagic Leapに対抗する技術を開発している。ただし、彼らはまだ開発中の技術を搭載したヘッドセットを一般に提供する道を選んでいる。グーグルもVRチームを強化し、アップルも参入すると伝えられている。一方、Magic Leapはその効果を実現するために、異なる技術を利用していると主張しているが、その取り組みの大部分はまだ秘密のままだ。

Magic Leapのデモを見た人々の多くは、同社と何かしらの取り組みを行っている。ニュージーランドのデザインスタジオ、Weta WorkshopsはMagic Leapと協力してゲームを開発した。SF作家ニール・スティーヴンスンはチーフ・フューチャリストとして同社に加わった。昨秋、グーグルは自社が主導した投資ラウンドで5億4,200万ドルを投資し、前回までの投資合計額を5億9200万ドルとした。しかし、いまのところMagic Leapの技術が消費者の手に届く日はまだ明らかにされていない。

今回の資金調達でMagic Leapは製品開発に多額の現金を使えるようになる。他社の大規模なシリーズ「C」ラウンドの多くは、Magic Leapの調達額の半分にも満たない。例えば、2014年に旧Google VenturesのGVが主導したラウンドで、Uberは2億5,800万ドルを調達した。その前年、Founders Fundが主導したもので、Airbnbは2億ドルを調達した。07年にはマイクロソフトがフェイスブックに2億4,000万ドルを投入した。

アボヴィッツには起業家としてすでにしっかりとした実績がある。2013年に創業したMako Surgicalを16億5,000万ドルで売却し、長年、高校時代の友人と熱心に取り組んでいたプロジェクト、Magic Leapに焦点を移した。現在、Magic Leapはニュージーランド、ロサンゼルス、シアトル、カリフォルニア州マウンテンヴューにオフィスがあるが、本社はアボヴィッツの居住地フロリダ州デイニア・ビーチのままだ。

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