日本企業の足腰がしっかりしているとなれば、儲けのプロたちは機敏に動く。株式投資などで1億円以上の資産を築いてきた投資の「勝ち組」である億り人(おくりびと)たちは急落局面で右往左往する人たちを尻目に、この大チャンスをものにしようと買いに走っている。

 資産1億円の女性投資家・ようこりん氏。彼女はこの年初の急落でも「億り人」の世界では大儲けした人が少なくないと説明する。

「資金に余裕のある投資家にとって下落局面に空売り(※注)で儲けるのは常套手段です。日経平均が一気に4000円も下落したわけですから、1000万円単位の儲けが出てもおかしくない。株安の要因となった急激な円高もFX(外国為替証拠金取引)で大きな利益が得られる状況を作ったといえます」

【※注/証券会社から株を借りて売却し、その株が値下がりした時点で買い戻す事で利益を得る投資方法】

 FX会社のYJFXはユーザーの取引実績をウェブ上に表示するサービスを行なっているが、円高株安が続いた1月18日からの週には500万円以上の儲けを出したユーザーが居並ぶ。

 急落局面で儲け、「底」で仕込んで上昇を待ち、さらに儲けるというわけだ。そんな彼女は今年の日経平均の高値を2万4000円と予想する。

「『谷深ければ山高し』という言葉が株の世界にはあります。落ち込みが激しいほど反発も大きいという意味。直近だと2万円から1万6000円前後まで約4000円下落した。下がった分だけ高値から上に飛び出ると考えるので、私の予想は高値の2万円に4000円をプラスした2万4000円なんです」

 では、どんな企業に着目しているのか。ようこりん氏は「最高値から半値落ち狙い」を実践する。

「注目は飲食業界。中国人を中心とした爆買いは一服した感があるけど、外国人観光客の数は減っていません。彼らは必ず食事を摂ります。

 まずはヨシックス。280円均一の居酒屋を展開する会社です。海外からのお客さんにも人気。合わせて買っているのがワタミ。足下の業績は悪いけど、介護部門を売却したことでキャッシュはあるはず」

 ワタミ株は2011年に1900円をつけていたが、現在は850円程度。まさに「最高値の半値落ち」で買いのタイミングというわけだ。

「同じ業界で好業績の企業と業績の悪い企業の株を両方買うのも一つのやり方です。業績の悪い企業は、落ちたところで買って反動を大きく狙う。それだけだとリスクもあるので、合わせて業績の良い会社を買ってさらなる伸びを待ちます」

 そして今まさに買い進めているのがイーサポートリンクだ。

「生鮮食品の物流業者です。現在は1株1400円くらいですが、2014年の11月には2800円を超えていました。やはり半値落ちの銘柄です」

 下がったタイミングが買いという考え方だから、急落後の今は大チャンスというわけだ。

※週刊ポスト2016年2月12日号