中国国営の新華社系のニュースサイト「新華網」は2日、春節(旧正月)時の帰省ラッシュの際にはしばしば「混乱」が伝えられる中国の旅客輸送と異なり、日本では交通インフラの整備、効率的運用、その他の社会環境の構築で、混雑するものの「破綻」することがないと評価する記事を掲載した。(イメージ写真提供:(C)Bartlomiej Magierowski/123RF.COM)

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 中国国営の新華社系のニュースサイト「新華網」は2日、春節(旧正月)時の帰省ラッシュの際にはしばしば「混乱」が伝えられる中国の旅客輸送と異なり、日本では交通インフラの整備、効率的運用、その他の社会環境の構築で、混雑するものの「破綻」することがないと評価する記事を掲載した。

 中華圏の人々は、カレンダー上の1月1日ではなく、春節(旧正月、2016年は2月8日)を「本当の年越し」と考えている。中国では2月になり、各交通機関は帰省ラッシュによる「超繁忙期」を迎えた。広東省の広州駅では2日時点で、出発できないなどで利用者5万人が駅や周辺に取り残されているという。

 記事は、日本でも年越しや春のゴールデンウィーク、夏の盆の時期には中国の春節期と同様な「交通機関のラッシュ」が出現するが、新幹線も通常は乗車率が120%程度までと紹介。陸も空も交通インフラがよく整備されている日本では、中国ほどの「交通圧力」は発生しないと、中国との違いを強調した。

 さらに、高速移動の手段としては、航空機を選択する人も多いと説明。日本には国、地方自治体、企業が管理する各種空港が82カ所あるが、「国土面積の37万平方キロメートルを考えれば、非常に高い密度」と評価した。

 鉄道については、新幹線だけでなく在来線も「安全」、「定刻」、「快適」を実現したと説明。近郊路線では「急行」、「準急」、「各駅停車」を交代に走らせることで利用者の利便性を増すなどよく工夫されていることにも触れた。

 高速道路には、利用者が増える時期の混雑を緩和するために、車線の増加や第二名神、第二東名など「平行路線」の建設を実施したと紹介。ETCの導入も混雑緩和に一役買ったと論じた。

 正月時期に日本の交通が中国のように大混乱しない理由としては、「完全に自由な戸籍制度」にも注目した。中国では農村部出身者が都市部で働いて現金収入を得ようとすれば「臨時戸籍」を取得することになる。しかし、本来の戸籍がない都市部で、教育や医療などの行政サービスを受けるのは難しい。そのため、両親だけが長期に渡って都市部で生活し、祖父母や子は故郷に残す場合が多い。

 記事は、日本では農村部出身者でも自由に都市部に移り、「各種の公共サービスを平等に享受できる」と紹介。親子が共に都市部で生活することになるので、正月時期に「無理をしてでも帰省」するケースは中国に比べて少ないと指摘した。

 さらに、日本政府は1960年代から、工業施設の地方への分散を行ったと紹介。農村部でも就業の機会が増え、都市部に移って工場づとめをする人が減少したことも、正月時期のラッシュ緩和に結びついたと論じた。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)Bartlomiej Magierowski/123RF.COM)