リオオリンピックの最終予選を5月に控えて、現在行なわれているV・プレミアリーグ。今季は全日本のエース木村沙織を擁する東レアローズが好調で、レギュラーラウンド(全8チーム、3回戦総当たり)を首位で通過した。第3レグは7戦全勝。苦手としていた久光製薬スプリングスを相手のホームゲームで3−2でねじ伏せ、最終戦の日立リヴァーレ戦も助っ人テトリ・ディクソンを欠きながらも3−1で勝利。ファイナル6(※)でも上位で通過する見込みが高くなった。
※この後、上位6位(ファイナル6)のチームが1回戦総当たりを行ない、その最上位が優勝決定戦に進出。2位、3位がファイナル3に進み、対決する。その勝者が1位チームと優勝決定戦(ファイナル)を行ない、優勝チームが決定する。レギュラーラウンド下位2チームは入替戦に回る

 2012年夏に中田久美氏が久光製薬の監督に就任してから、東レはV・プレミアリーグや皇后杯でほぼ全敗している(中田監督が体調不良で途中退席した試合のみ勝利)。しかし、今季第3レグの対戦では、試合前にウイングスパイカーの迫田さおりが「優勝するためには、久光に勝つしかない」と力強く宣言。その言葉通り、55打数21得点をマークした迫田の活躍が光る勝利だった。「私たちより迫力のあるバレーをした東レは、勝者にふさわしい戦い方だった」と敵将の中田監督も試合後にライバルを称えている。

 一方、久光製薬戦では40打数9得点とまだピークに戻し切れていない感のあった木村沙織は、次の上尾戦で結果を出した。3セット目中盤にディクソンが負傷退場すると、直後にレフトのストレートを鮮やかに2本決めるなどギアが入り49打数17得点、調子は上がりつつある。

 6位に終わった昨季と何が違うのか。「五輪直前」ということで木村のモチベーションも上がっていることもあるが、もうひとつ、妹の木村美里が今季からレギュラーのリベロとしてプレーしていることも大きい。木村は「2人とも小学生からバレーを始めましたが、一緒のコートで戦うことができたのは今シーズンが初めて。とても嬉しく思っていますし、母も喜んでくれていると思います」とニコニコ顔。美里も「姉と一緒のコートでプレーできるのは幸せです」と話す。

 2位の久光製薬は、昨季レギュラーラウンド、ファイナル6で圧倒的な強さを誇りながら、ファイナルでNECレッドロケッツにまさかの敗北。年末にあった皇后杯では4連覇を成し遂げ、昨季のVリーグのリベンジに向け、チーム力を上げている。

 昨季のファイナルではNECにサーブで狙われて崩された石井優希が、今季はさらに集中してサーブを受ける形となっている。ここまでレセプション(サーブレシーブ)成功率で4位に入っており、本人も「去年の決勝では自分が崩されたせいで優勝を逃してしまいました。今年は『来るなら来い』と開き直れるようになりました」と自信をつけている。円熟味を増したロンドンメダリストの新鍋理沙とともに今季の久光の鍵を握っていると言えるだろう。

 ワールドカップで注目されたエース古賀紗理那が所属するNECは、レギュラーラウンド5位と今ひとつふるわず。昨季ファイナルで鮮やかな活躍を見せた古賀だが、今年はそれを上回るインパクトを残していない。2年目のジンクスの壁をはねのけてファイナル6での奮闘を期待したい。

 ファイナル6は2月7日(日)、京都府立体育館で幕を開ける。終盤戦も日本代表の面々が引っ張る上位チームに注目だ。

中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari