左から村山聖役の松山ケンイチ、村山聖 ©2016「聖の青春」製作委員会

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映画『聖の青春』が、今秋に公開される。

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同作は、29歳で逝去した実在の棋士・村山聖を描いた大崎善生による同名小説が原作。5歳の時に腎臓の難病「ネフローゼ」を患っていることが発覚した村山は、15歳の時に大阪の棋士・森信雄を師匠に奨励会に入会し、入退院を繰り返しながら羽生善治や谷川浩司を超える2年11か月の早さでプロ棋士となるが、八段まで昇進した1998年に膀胱がんが発覚し、同年の8月に亡くなった。

映画では、「怪童丸」の異名で呼ばれた村山と羽生善治をはじめとする同世代の棋士との戦い、村山を支える師匠や両親たちの姿を通して、命の危険を冒しながら将棋に没頭した村山の生涯を描く。主人公の村山を演じるのは松山ケンイチ。監督は実写映画『宇宙兄弟』などの森義隆が務める。

東京将棋会館に通いつめて役づくりを行ない、体重を増やす肉体改造にも挑戦したという松山は、同作への出演について「全身全霊をかけても足りない役だと思いました。そういう仕事は大好きです」とコメント。自身が演じる村山については「命を燃やしている方。その激しさに魅せられました」と語っている。

■松山ケンイチのコメント
ヒロインが羽生善治さんという硬派な作品です。将棋が好きな方はもちろん、人生をつまらなく感じている方も、何かに夢中になっている方でも、こんな人間がいたんだと魅かれる作品です。“村山聖”は必ず見る人の心に何かを残します。宜しくお願い致します。

■森義隆監督のコメント
村山聖の生き様は「人生とは、何なのか」という普遍的な問いをわたしたちに突きつけてきます。30才の松山ケンイチが、映画のなかで、29年という村山聖の短い人生を全力で生き抜いた先に、その答えの一端があるのだと信じて、日々、撮影に挑んでいます。

■大崎善生のコメント
私のデビュー作である「聖の青春」が角川映画になるというのは宿命的なものを感じる。はじめて映画化の話を聞いてからもう10年近くになる。その間も粘り強く交渉を重ねて、現実まで持っていって下さった制作スタッフの執念には頭が下がる。最終的には最高の形となった。この作品を愛し、信じそして丁寧にまとめあげてくれた。
はじめて松山ケンイチさんとお会いしたとき(※撮影が始まったころ)、村山聖さんに似ているのに驚いた。体重を増やして役に備えたという。右手の爪は村山を真似て長く伸びていた。森さんがいたら「村山君、こんなに長い間どこにいっとったんや」と手をさすったかもしれない。私も酔っぱらっていれば昔のように頬っぺたを軽くつまんでいただろう。意志の強そうな瞳。内面からにじみ出てくるような自然なユーモラス。そして人へ対する好奇心、優しさ。17年ぶりに村山くんがいた。
本作は、天才羽生善治に挑む、西の怪童と恐れられた村山聖の真摯な闘いの物語である。森信雄という類まれな師匠との愛情の物語でもある。幼い日から病気と闘い、そのハンディをものともせず乗り越えていった努力の物語であり挫折の物語でもある。将棋を目指すものたちのストイックな青春がそこにはある。29歳で村山がこの世を去って17年。その歳月をものともせず村山はまだ多くの人に愛され慕われ続けている。その過酷な宿命の故か、彼の持つ特有の純粋さの故か。その村山聖が17年ぶりにこの世に戻ってくる。松山ケンイチに姿を借りて。限定的なカーニバルのようなものだ。もちろん私もはやく村山くんに会いたい。一人でも多くの人にこのお祭りに参加してもらいたい。