松ケンが夭折の天才棋士役挑む、苦しみながら体重増やす“肉体改造”も。

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俳優の松山ケンイチ(30歳)が、難病と闘い、29歳にして亡くなった実在の天才棋士・村山聖の壮絶な生き様を描いた映画「聖の青春」に主演することがわかった。松山は苦しみながら体重を増量。“肉体改造”した上で、役に挑んでいるという。

幼少期より腎臓の難病・腎ネフローゼを患い、入退院を繰り返した村山聖。入院中のある日、聖少年は父が何気なく勧めた将棋に心を奪われる。その日から彼は、将棋の最高峰・名人位を獲る夢を抱いて、将棋の道をまっしぐらに突き進み始める。羽生善治ら同世代の天才棋士たちとの死闘、彼を見守る師匠、そして彼を支える父と母の愛情。自らの命を削りながら将棋を指し、死の床まで将棋のことを口にしていた村山聖の、全力で駆け抜けた壮絶な一生を描く――。

松山は本作主演にあたり、人生を将棋に全身全霊捧げた天才棋士役というプレッシャーの中、自ら東京将棋会館に通いつめ、これまでにない驚異的な役作りで精神面、肉体面の両方から村山聖にアプローチし、熱演した。

本作のオファーを受けたときの気持ちを、「全身全霊をかけても足りない役だと思いました。そういう仕事は大好きです」と振り返る松山。そして原作の同名ノンフィクション小説には「命を燃やしている方。その激しさに魅せられました」、役作りについては「病を背負われているので内面が一番難しいです」と語った。また、公開を待つファンには「ヒロインが羽生善治さんという硬派な作品です。将棋が好きな方はもちろん、人生をつまらなく感じている方も、何かに夢中になっている方でも、こんな人間がいたんだと魅かれる作品です。“村山聖”は必ず見る人の心に何かを残します。宜しくお願い致します」とメッセージを寄せている。

メガホンを執るのは「宇宙兄弟」の森義隆監督。人間の知の限界に挑戦し続けた天才将棋指しの人生を、師匠、ライバルほか周囲から愛された記憶と共に、愛情豊かに描き出していく。森監督は「村山聖の生き様は『人生とは、何なのか』という普遍的な問いをわたしたちに突きつけてきます。30才の松山ケンイチが、映画のなかで、29年という村山聖の短い人生を全力で生き抜いた先に、その答えの一端があるのだと信じて、日々、撮影に挑んでいます」と語っている。

☆滝田和人プロデューサーが本作を語る

◎企画意図、撮影までの経緯

単行本が出版された当時、一読者として泣きました。ただ原作がホンモノすぎて、映画化とかは畏れ多い、難しいだろうなと感じながら、諦めきれず企画に着手。数年後、『ひゃくはち』公開を終えたばかりの森義隆監督にオファー、若いのに演出がしっかりしていて、青春をリアルに描ける才能がある方だと感じていたことが理由です。TVドキュメンタリーも撮っている方だけに、ノンフィクションを2時間の物語にしていく困難性を誰よりも感じられていたため、理解頂くのに相当な時間がかかりましたが、数十回飲んでようやくOKを頂け、前に進み始めました。

脚本も「これだ!」と皆が思うものに到達するには5年ほどかかり、決定稿は20稿目。企画に賛同してくれるプロデューサー達と協業して、昨年ついに成立まで進めることができました。この上ないキャスト・スタッフの皆さんに集まっていただき、強力な布陣で撮影に入ることができ、必ずや良い作品に仕上がると確信しています。そして、長い間辛抱強く映画化を待ってくださった原作者の大崎善生さんには本当に感謝しています。

◎松山ケンイチのキャスティングについて、役作りについてなど

以前2本の映画でご一緒した際の印象と、『男たちの大和』の演技が非常に素晴らしく、その頃から松山ケンイチさんに注目していました。そして数年後、事業化が決まりかけた頃、松山さんご本人が原作を読み、村山聖役を熱望しているという情報を耳にしました。「逃してなるものか!」と、本人に監督と一緒にお会いし話してみて、松山さんならば重責を受け止め、必ずや私たちと同じ方向を見つめながら「村山聖」という人間に挑戦することができる、と強く感じました。

役作りについて、松山さんとは、広島のご両親への訪問と聖さんのお墓参り、そして師匠森信雄さんの元も訪れ、大阪福島の前田アパート、関西将棋会館、更科食堂と聖縁の大阪の地を巡りながら、聖とのエピソードをじっくりうかがいました。元々、将棋はお好きでたしなまれていたようで、将棋指導の先生からの指導含め、将棋会館の一般道場にふらりと現れては手合いをつけてもらい普通に指されていたりなど、めきめき上達されました。

また、聖が罹ってしまったネフローゼという難病を理解するため、実際の患者さんへも取材をして、撮影に臨まれました。実在の人物でも、もう亡くなられているので、当然会うすべはなく、聖を支えた方々の人柄に触れることと、聖が実際身を置いた空間に浸ることで、役作りのヒントしようとされていたのだと感じます。聖の強烈な個性は、内面のみならず、迫力と愛嬌が奇妙に入り混じる見た目も大きいですから、当時の写真、対局のビデオも参考に肉体改造も大変だったと思います。「でも、食べて飲むしかないんですよね」「おいしいものもおいしく感じなくなるんです」と言う松山さんは本当に苦しそうでした。

◎撮影について

対局をどう撮るかというのが最大の課題で、畳の和室という静謐な空間の中で、魂の打ち合い、骨のきしむような戦いが行われているのをどう映像表現するかが見どころでもあります。監督スタッフ一丸となって、そこに注力してつつ絶賛撮影中です。森監督はドキュメントスタイルでの方法論が原点なので、ロケーションはリアルな場所にこだわり、将棋の聖地、東京・千駄ヶ谷、大阪・福島区、タイトル戦の対局が実際行われている各地の名旅館でもロケを予定しています。

◎公開を待つファンの皆さんへメッセージをお願いします

これまでにないほどの役へののめり込み方や周囲が危惧したほどの増量計画。クランクイン前、村山聖を感じるために、松山ケンイチはあえて苦しみや悩みを求め、もがいているように見えました。もう会うことの叶わない生きた村山聖がスクリーンに出現することを、私は確信しています。どうぞご期待ください。