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●表情筋をよく動かして唾液腺を刺激する
単に口の中が渇くだけではなく、話しにくさや食べにくさ、さらには口臭などにもつながる恐れがあるドライマウス。ストレスなどが引き金となるケースもあるが、直接の原因は唾液の枯渇だけに唾液をしっかりと出すことが予防策となる。

本稿では、M.I.H.O.矯正歯科クリニック院長の今村美穂医師の解説をもとに、ドライマウスのセルフケア術と治療法について紹介する。

○歯ごたえのある食物を咀嚼しよう

セルフケアは飲食面と日常生活面、嗜好(しこう)面などに分類できるので、それぞれを下記にまとめてみた。

飲食面のセルフケア

■糖分の入っていない飲み物での水分摂取を心がける

■あめやガムで唾液の分泌を促す。歯の健康のためにも、シュガーレスの製品が好ましい

■咀嚼(そしゃく)回数を増やす

「『噛みごたえのある食材(野菜、キノコ、海藻、玄米、食物繊維の多いもの)を選ぶ』『かみごたえのある状態に大きく切る』『余分な調理をしすぎず歯ごたえを残し、それを楽しむことを覚える』という点に気をつけましょう。特に日本では『軟食時代』と言われ、軟らかい食事が好まれています。食事時にはいつも飲み物がないと飲み込めない人は、ぜひ歯ごたえのある食物での咀嚼(そしゃく)を心がけてください」。

日常生活面のセルフケア

■冬場は加湿器を利用するなどして、部屋が乾燥しないようにする。また、乾燥時はマスク着用も効果的

■ストレス解消のため、体を動かしたり、自分の好きなことをしたりして気分転換をはかる。唾液は副交感神経優位時に作用するため、リラックスに努める。

■笑顔で人と楽しく会話をしたり、歌ったりして表情筋をよく動かすことで唾液腺を刺激する。

■規則正しい生活をする

■歯磨き粉やうがい薬を、刺激の少ないドライマウスにやさしいものに変更する

嗜好面では、「喫煙を控える」「飲み過ぎに注意する」などが該当するので注意しておこう。

○まずは原因の確定を

ドライマウスの原因は多岐にわたる。目や口が渇くなどの症状が出るシェーグレン症候群薬と呼ばれる別の疾病が関係している場合や、薬の副作用、ストレス、老化、口呼吸などが引き金となっているケースもある。そのため、主に歯科では「口腔(こうくう)の乾燥状態の緩和」に特化した口腔ケアを実施していることが多い。

ドライマウスの対症療法を4つほどまとめたので参考にしてほしい。

●口呼吸が原因ならば、今日から改善を
■マウスピースや閉口テープで夜間の乾燥を防ぐ

■唾液腺マッサージや口腔筋機能療法を実践する

■唾液とほぼ同じ組成の人工唾液をスプレーする

■唾液と同じ抗菌物質、粘膜修復作用を持つ成分を含む保湿ジェルを口腔内に塗布する

「原因を確定でき、治すことができる場合は、医師と相談のうえでまず原因となる病気を治すことを優先し、その間の対症療法を試みます。日常的なストレスなどの生活習慣や加齢などが原因と考えられる場合は、その生活習慣を見直しつつ、日常に簡単に取り入れられる方法を試みて改善に努めましょう」。

原因を確定しやすいものの一つに「口呼吸」がある。口呼吸で常に口が開いている人は、今日から口をいつも閉じる習慣を身につけ、鼻呼吸を励行してみよう。

※写真と本文は関係ありません

○記事監修: 今村美穂(いまむら みほ)

M.I.H.O.矯正歯科クリニック院長、MIHO歯科予防研究所 代表。日本歯科大学卒業、日本大学矯正科研修、DMACC大学(米アイオワ州)にて予防歯科プログラム作成のため渡米、研究を行う。1996年にDMACC大学卒業。日本矯正歯科学会認定医、日本成人矯正歯科学会認定医・専門医。研究内容は歯科予防・口腔機能と形態及び顎関節を含む口腔顔面の機能障害。MOSセミナー(歯科矯正セミナー、MFT口腔筋機能療法セミナー)主宰。

(栗田智久)