中国メディアの新浪網は2日、ベトナムが南シナ海のスプラトリー諸島海域の岩礁で埋め立て工事を試みたがうまく行っていないとして、「国力がないと島づくりは無理」と主張する記事を掲載した。(写真は新浪網の2日付報道の画面キャプチャー)

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 中国メディアの新浪網は2日、ベトナムが南シナ海のスプラトリー諸島海域の岩礁で埋め立て工事を試みたがうまく行っていないとして、「国力がないと島づくりは無理」と主張する記事を掲載した。

 記事はまず、「ベトナムは中国の南華礁で不法に工事を行い、海を埋めて陸を作ろうとした」とした上で「技術レベルが低く、最終的に波でさらわれ、ほとんど進展しなかった」と紹介。南華礁とは、スプラトリー諸島(中国名:南沙群島)にある岩礁の「ロンドン礁」の中国名。

 さらに、「昨年(2015年)12月に台風が突然やってきて、土砂をさらっていった」と紹介。中国は埋め立てに、高性能のポンプ浚渫(しゅんせつ)船を投入したが、ベトナムは機械ショベルを据え付けた船を使ったと指摘。現地は12月には台風の到来が少なく、「ベトナムも気象条件がよいことを期待して頑張り、ちょっとした成果を出したが、台風が来て埋め立てた土砂をすべてさらっていった。進展はほとんどなくなった」と酷評。

 さらに、「島を作るということは、見ていて思うほど簡単ではないのだ。実に複雑な総合工事であり、国家の総合国力が試されることになる。だれもが中国と同じように、小さな岩礁を飛行場に変えることはできないのだ」と自画自賛した。

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◆解説◆
 中国メディアの記事で散見する、「ピントのずれた論調」としか言うしかない。仮に中国が同岩礁の領有権を主張するならば、ベトナムの工事が難航していることを“嘲笑”するのではなく、あくまでも「主権侵害」を批判/非難すべきだからだ。その場合、投入した技術力や工事の首尾/不首尾は関係ない。あくまでも工事に着手したこと自体を責めねばならない。

 「中国のような国力がなければ、島を作ることはできない」との主張からは、「国力があれば、何をしてもよい」という意識の存在が、透けて見えるようでもある。(編集担当:如月隼人)(写真は新浪網の2日付報道の画面キャプチャー)