中国で1日、人民解放軍の「七大軍区」が撤廃され、新たに「五大戦区」が発足した。「軍区」および新たな「戦区」は“仮想敵”別に国土の防衛担当地域を定めたもの。「五大戦区」の設立には中央の統制を強化し、「即戦能力」を高める狙いがある。(イメージ写真提供:(C)Zhang Yongxin/123RF.COM)

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 中国で1日、人民解放軍の「七大軍区」が撤廃され、新たに「五大戦区」が発足した。「軍区」および新たな「戦区」は“仮想敵”別に国土の防衛担当地域を定めたもの。「五大戦区」の設立には中央の統制を強化し、「即戦能力」を高める狙いがある。

 習主席が2015年秋に表明した軍改革の一環。1日には習主席が北京市内で「五大戦区」の発足を宣言し、各戦区の司令官に軍旗を授与し、「(国全体の)根本戦略の方向により、脅威から安全を保ち、平和を維持し、戦争を抑制し、戦争に勝つ使命に責任を取れ」などと訓示した。

 新たに発足した「五大軍区」のうち、東部戦区は南京に司令部を置き、台湾と東シナ海方面の状況に対応する。対日作戦でまず表に立つのは東部戦区ということになる。

 南部戦区は東南アジアや南シナ海の状況に対応する。西部戦区は中央アジアやインド方面に対応する。北部戦区はロシアやモンゴル国に対応する。中部戦区は首都圏の防衛を担う。

 従来の軍区は、組織管理を主眼にした陸軍の編成だったが、新たに発足した各戦区では、海軍・空軍・ミサイル部隊を一体運用する統合作戦機構が設置された。

 1月には、それまで「4総部」と呼ばれ、大きな権限を持っていた人民解放軍の総参謀部、総政治部、総後勤部、総装備部が、15に分割され、「中央軍事委員会聯合参謀部」、「中央軍事委員会後勤保障部」などとして、それぞれ中央軍事委員会の名を付した組織になった。

 一連の軍改革には中央の統制を強化し、「即戦能力」を高める狙いがある。軍内の一部「有力者」の影響力を削ぐ思惑もあるとされる。中華人民共和国発足直後から用いられてきた「軍区」の名称を「戦区」に変更し、「総参謀部」の後継組織の名称に「中央軍事委員会」の名を付したことからも、習近平政権の強い意志を読み取ることができる。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)Zhang Yongxin/123RF.COM)