米ツアー2015−2016年シーズン、松山英樹が2016年の初戦に臨んだ。カリフォルニア州トーリーパインズGCで開催されたファーマーズインシュランスオープン(1月28日〜31日)。12月のヒーローワールドチャレンジ以来、およそ1カ月半ぶりの実戦だった。

「体調は決していいわけではないけど、いい感じでオフは過ごせた。それはよかったな、と思っています。ただ(オフの間にやりたかったことは)できたこともあるけど、できなかったこともたくさんあって......。それで、どれだけ仕上がっているのかというと、自分の中ではまったく仕上がっていない(笑)。特にショットですね。あんまりうまくいっていないので......。(試合では)それをいかにパターとかでカバーできるか。

 まあでも、長いオフを過ごして、『早く試合がやりたい』という気持ちになっている。そうやって新たな気持ちに切り替わっているし、いいモノも少しは出せると思う。(明日からの)試合は楽しみかな」

 オフのスケジュールに関しては、当初の予定どおりに事は進まなかったようだが、久しぶりの試合を前にして明るい表情を見せた松山。その高揚した気分を表すかのように、初日は4アンダー、8位タイと好スタートを切った。不安視していたショットはやや乱れていたものの、パッティングが冴え渡り、ラウンド後の松山も満足そうに笑みを浮かべた。

「悪いモノもたくさん出たけど、いいモノもたくさん出せた。今後につながるラウンドだったと思います。ショットに関しては、何をやってもうまくいかなかった感じでした。ティーショットでは、フェアウェーに4回しかいっていないし......。一方で、パターはいいのが入ってくれて。3パットを2回したけど、パッティングは今までない感じで、いいフィーリングで打てていた。微妙なパーパットをたくさん残したけど、それも決め切れた。ボールの転がりがよくて、ほとんどミスもなく、パットのよさがこのスコアにつながった要因かな、と思います。このまま(パッティングは)今日のフィーリングを崩さないようにやっていきたい」

 しかし2日目は、前日には面白いように決まっていたパットが入らなかった。わずかなライン違いで、何度もカップに蹴られた。乱れていたショットはこの日も安定性を欠いたままで、初日とは一転、2バーディー、6ボギーの「76」と叩いた。結局、スコアをイーブンパーまで落として、順位も73位タイまで後退。まさかの予選落ちとなった。

「(ティーショットは)昨日よりも多少はフェアウェーにいったけど、1ホールごとに、よかったり、悪かったりの繰り返し。最後まで自信を持てずに終わってしまったので、残念に思う。パッティングに関しては、悪くなかった。悪いストロークをしているわけじゃないですし、距離感もほぼ合っていた。ラインがひと筋違ったというだけ。だから、何も気にはしていないです。

(問題なのは)パッティング以外のところ。ショットからアプローチまで、一貫性がないというか、打ち方がバラバラだった。そこで何かひとつ、安定するものがないと......。結局、一発よくても、次のショットがうまくいかなかったりして、(スイングに)自信が持てなかった。それに、そうしたことを試合中にどう修正していくかが大事なんだけど、それもできなかった。そうすると、こうやって崩れてしまうのかな、という感じです」

 試合前から心配していたショットの悪さに泣いた松山。ただ、その点に関しては想定していたからか、予選落ちの結果にも意外とすっきりした様子で、頭の中の意識はすでに次戦へと移っていた。

「これだけショットが悪ければ、この順位になっても仕方がない。このあと、しっかり練習して(いろいろなことが)修正していけたらいいと思う。何にしても、ショットの練習はしたい。また、試合の結果がすべてですから、(オフの練習の成果が)そこにつながらなかったということは、やらなくてはいけないことはたくさんあるということ。まあ、早く試合が終わったら終わったで、逆にそれらのことができる。来週(の試合)に向けても、いい準備ができると思います」

 松山の2016年初戦は、不本意な結果に終わった。しかし彼が、技術的にも、肉体的にも、精神的にも、自身のピークを持っていきたいのは、4月のマスターズ、そしてその後のメジャー大会のはずである。現状では、そこに向けて課題を修正しながら、徐々に調子を上げていくことが大事になる。その動向をうかがう意味でも、過去2年連続で優勝争いを演じてきた、次戦のフェニックスオープン(2月4日〜7日/アリゾナ州)でのプレーぶりが注目される。

武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko
text by Sportiva