ニールセン、ビデオオンデマンドの国内利用状況を発表。TV局系VODの利用者数が1年で約10倍に増加し、動画視聴はスマホが主流に

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スマートフォンからの利用がPCを大きく上回る

PC:家庭および職場のPCからの利用
スマートフォン:ブラウザとアプリからの利用

2015年11月の各VODサービスの利用者数は、TV局系のVODはPCから139万人、スマートフォンから532万人、また、在京民放5社が連携したVOD TVer(ティーバー)は、PCから57万人、スマートフォンから251万人となっています。※1

一方で、定額制のVOD(Subscription based Video On Demand : 以下SVOD)はPCから269万人、スマートフォンから781万人に利用されています。※2

両サービス共にスマートフォンからの利用者数がPCを大きく上回る結果となり、スマートフォンでの動画視聴がメインストリームとなっていることが明らかになりました。

※1)TV局VODは主要TV局のVOD「NHKオンデマンド」「日テレオンデマンド」「テレ朝動画」「TBSオンデマンド」「テレビ東京オンデマンド」「フジテレビオンデマンド」および「TVer」を集計(順不同)
※2)SVODは利用者数上位5サービス「Amazonプライム・ビデオ」「dTV」「Hulu」「Netflix」「U-NEXT」を集計(順不同)

TV局系VODの利用者数は前年比、約10倍に

かっこ内は1人あたりの平均利用時間(月間)

スマートフォンからの各VODの利用者数は、TV局系のVODは全体の利用者数が昨年と比べて約10倍に増加しているのに対して、SVODは全体の利用者数に大きな変化は見られませんでした。一方、月間利用時間は、TV局系VOD、SVOD共に増加しました。

5分以上の利用者数の推移をみると、TV局系のVODは117万人増加、SVODは67万人増加しています。平均利用時間に関しては、TV局系は2014年11月時点では2分であったのが2015年11月には12分に、SVODでは5分であったのが31分になり、利用時間の大幅な増加が見られました。

この調査結果に関して、ニールセンのシニアアナリスト、高木史朗氏は次のように述べています。

利用者数の多かったスマートフォンに注目すると、TVerがサービスを開始したことで、TV局系のVODは、全体の利用者数が大きく拡大していた点は注目すべきでしょう。また、TV局系のVOD、SVOD共に利用時間も大幅に増加しており、徐々に日本市場においてもサービスの利用が浸透してきている様子がうかがえました。
ただし、NetflixやAmazonプライム・ビデオなどが昨年サービスを開始したものの、SVODでは利用者数は増加していません。今回の調査では、PCとスマートフォンからの利用に限った話でしたが、その他のスクリーンからの利用状況も含めて、SVOD自体に関心のある人がどの程度増えていくのか、注視していく必要があります。その際、広告モデルのサービスと定額制のサービスの料金形態に対する消費者の意識にも注意が必要です。

定額制VODアプリを複数利用している人はわずか5%

「Amazon Video」、「dTV」、「Hulu Plus」といったスマートフォンからの利用者数上位3アプリに関して、重複利用状況を調査した結果、総利用者数201万人のうち、95%は1つのアプリだけを利用していることが明らかになりました。2つ以上のアプリを利用している人はわずか5%となっています。

この結果を受け、高木氏はアメリカの状況を取り上げながら、日本市場の今後について次のように述べています。

SVODの利用が浸透しているアメリカでは、SVOD利用者のうち2サービス以上利用している人が30%以上を占めています。競合との差別化のために、各社がオリジナルコンテンツの制作に力を入れていることが、重複利用を促進していると考えられます。
今後日本市場においても、オリジナルコンテンツが増えていくことで、複数サービスの加入が増えていく可能性はあります。動画視聴サービスの運営企業にとっては、市場全体の利用者数に加えて、複数サービスの重複利用状況も把握していくことが重要です。

Nielsen Mobile NetView(ニールセン・モバイル・ネットビュー)
調査方法:日本全国の4,000名(iOS、Android各2,000名)の調査協力モニターから取得するアクセスログ情報を元に作成
調査対象:18歳以上の男女

Nielsen NetView(ニールセン・ネットビュー)
調査方法:日本全国に4万名以上のオンライン視聴者パネルを構築し、データを収集
調査対象:2歳以上の男女