中国人観光客が日本に大挙してショッピングに勤しむ光景は、東京などの繁華街ではもはや日常的な光景となりつつある。ドラッグストアのレジに並ぶ彼らが手にしているのは、大量の日本の医薬品だ。この光景を中国のある医薬企業会長は「恥辱」と形容したが、「恥辱」の元凶に中国の「医」と「薬」の不誠実な関係があることを見逃してはならない。(イメージ写真提供:123RF)  
 中国人観光客が日本に大挙してショッピングに勤しむ光景は、東京などの繁華街ではもはや日常的な光景となりつつある。ドラッグストアのレジに並ぶ彼らが手にしているのは、大量の日本の医薬品だ。この光景を中国のある医薬企業会長は「恥辱」と形容したが、「恥辱」の元凶に中国の「医」と「薬」の不誠実な関係があることを見逃してはならない。

 中国メディア・紅網は1日、「日本に行って風邪薬を買うのは単に製薬会社の恥辱に留まらない」とする評論記事を掲載した。記事は「恥辱」と形容した医薬企業会長が「とどのつまりはイノベーション不足」とし、低価格・低コスト競争に走らず、高い付加価値を付けて消費者のニーズを満足させる製品を提供しなければならないと訴えたことを紹介した。

 そのうえで「業界に対する彼の反省は理解できるが、彼は必ずやほかにも言えない悩みを抱えているはずだ」とし、病院や薬局およびその関係者との癒着による、薬品仕入れにおける「腐敗現象」が低価格・低コストの悪質な競争を招いていると指摘した。

 その例として「1箱2元程度の薬品が患者には20元程度で売られるのに、製薬会社の利益は1元にも満たない。大部分の利潤は病院や院長、薬剤科の主人といった法人、個人の手中に収まるのだ」と解説。このような状況は「中国人であれば誰もが知っている」とした。さらに、悪質な低価格競争はやがて薬品の品質に転嫁され「かつては1回1包で効いた風邪薬が、2包3包飲んでも効かなくなる」状況に陥っており、国産薬に対する信用が失われていると論じた。

 患者は高い薬品代を支払わされ、製薬会社は薄利にあえぐ。それを尻目に彼らの中間にいる「医」の部分が私腹を肥やす。イノベーション不足を叫ぶのは簡単だが、「なぜイノベーションが不足しているのか」の根本を突き詰めて考えなければ、「イノベーション」は単なる美しきスローガンで終わってしまう。記事も最後に指摘しているが、「恥辱」をすすぐためには、製薬会社が質の高い、消費者思いな製品を安心して開発、生産できるような土壌を、国や当局の先導で作らなければならない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)