今大会の快進撃の第一歩となるゴールを決めた植田。空中戦での圧倒的な強さも光った。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 リオ五輪予選を兼ねたU-23アジア選手権で日本は、見事に6大会連続の五輪出場権を勝ち取るとともに、宿敵・韓国を破って優勝を決めた。ここでは登録メンバー23人の個々のパフォーマンスを6試合の平均採点と寸評で振り返る。
 
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GK
1 櫛引政敏(鹿島)
大会成績:5試合・3失点
平均採点:6.00
 
「大きく見える」と手倉森監督から評価されたように好調を維持し、準決勝までの4試合で1失点と、高い確率で相手のシュートを阻んだ。特に準々決勝のイラン戦では延長戦にチームを救うビッグセーブを披露した。決勝では2失点を喫するも、随所に好セーブを見せてチームを救った。
 
GK
22 杉本大地(徳島)
大会成績:1試合・1失点
平均採点:6.00
 
グループリーグ第3戦のサウジアラビア戦で先発。PKで1点を失ったものの、落ち着いたセービングでまずまずの動きを見せた。
 
GK
23 牲川歩見(鳥栖)
大会成績:0試合・0失点
平均採点: -
 
23人のなかで唯一ピッチに立てず。それでも黙々とトレーニングに励み、陰ながらチームを支えた。 
 

DF
2 松原 健(新潟)
大会成績:1試合・0得点
平均採点:5.00
 
4月に手術した右膝の状態が思わしくなく、出番はグループリーグ第3戦のサウジアラビア戦の68分間のみ。それでも決して弱音を吐かず、準備を怠らなかった。

 
DF
12 室屋 成(明治大)
大会成績:5試合・0得点
平均採点:6.00
 
果敢なオーバーラップを繰り返した初戦の北朝鮮戦で一気に勢いに乗った。日本の右サイドに安定をもたらし、今予選でブレイクした感もある。ベスト8の壁を打ち砕くイラン戦の決勝アシストはハイライトシーンとも言える。
 
 
DF
15 亀川諒史 (福岡)
大会成績:3試合・0得点
平均採点:5.00
 
初先発となったグループリーグ第2戦のタイ戦では緊張からか動きに硬さが目立った。準々決勝のイラン戦では奮闘したものの、本来の力を考えれば不完全燃焼といった出来か。
 
 
DF
6 山中亮輔(柏)
大会成績:4試合・0得点
平均採点:6.00
 
守備ではやや不安定な面がたびたび見られたが、一方で高精度のプレースキックやクロスを武器に持ち前の攻撃力で貢献した。決勝の韓国戦では、その両方が顔を覗かせており、前半は完全に後手に回るも、後半は同点アシストとなるクロスを放った。
 
DF
5 植田直通(鹿島)
大会成績:5試合・1得点
平均採点:5.60
 
日本の快進撃は、この男のゴールから始まった。今大会でも空中戦の強さを十分に見せつけ、岩波、奈良とともにゴール前に高い壁を築いた。ただし、イラン戦、韓国戦ではエリア内での地上戦でやや難が見受けられた。
 
 
DF
4 岩波拓也(神戸)
大会成績:4試合・0得点
平均採点:5.37
 
得意のフィードの精度には、試合によって波があった。ただ、ゴール前での粘り強さ、強いリーダーシップで周囲を牽引した点は高く評価できる。決勝では、準決勝不出場の悔しさをぶつけ、誰よりも声を出して最終ラインを統率した。
 
 
DF
13 奈良竜樹(川崎)
大会成績:3試合・0得点
平均採点:5.50
 
グループリーグ第2戦のタイ戦、第3戦のサウジアラビア戦では不安定さを露呈。しかし、五輪出場を決めた準決勝のイラク戦では前2試合を払拭する力強さで指揮官のスタメン起用に応えた。 
 
 
DF
17 三竿健斗(鹿島)
大会成績:1試合・0得点
平均採点:5.50
 
グループリーグ第3戦のサウジラビア戦ではアンカーとして先発。出場時間こそ短かったが落ち着いた試合の入りを見せ、やや後手に回る時間帯もあったものの、まずまずの出来。ピッチ外ではチームメイトの誕生日に必ず一発芸を披露するなど盛り上げ役をこなした。
 
MF
8 大島僚太(川崎)
大会成績:4試合・1得点
平均採点:6.00
 
グループリーグ第3戦のサウジラビア戦のミドルは、まさにスーパーゴール。反面、なかなか調子が上がらず、攻守両面でボールに関わる場面が少なかった印象。ベンチで過ごす時間が長く、決勝でもゴールへの直接的な貢献はなかった。
 
 
MF
3 遠藤 航(浦和)
大会成績:5試合・0得点
平均採点:6.00
 
 最終予選直前でのインフルエンザ、準々決勝後の足の付け根の負傷と2度のアクシデントに見舞われながらもピッチでは、ボランチとして絶大な存在感を示した。決して欠かせないチームの軸だった。

 
MF
7 原川 力(川崎)
大会成績:5試合・1得点
平均採点:6.25
 
準決勝のイラク戦ではアディショナルタイムの左足ミドルでリオ五輪への扉を開き、一躍時の人に。大島に代わりゲームを作り、的確なパスでリズムを生み出した。
 
 
MF
19 井手口陽介(G大阪)
大会成績:1試合・1得点
平均採点:6.50
 
グループリーグ第3戦のサウジアラビ戦では、南野のアシストから貴重な追加点を奪取。ゴールだけでなくボールへの積極的な関与も評価対象。ただし、その第3戦直後に体調を崩したのが痛かった。
 
 
MF
21 矢島慎也(岡山)
大会成績:4試合・2得点
平均採点:6.25
 
 第2戦のタイ戦では出色のパフォーマンスで攻撃を牽引し、快勝の立役者に。準々決勝のイラン戦こそ今ひとつの出来だったが、決勝の韓国戦では後半の逆転劇を呼び込む1得点・1アシスト。中盤の“便利屋”としてチームの貴重な潤滑油となった。
 
 
MF
10 中島翔哉(FC東京)
大会成績:5試合・2得点
平均採点:6.00
 
試合のなかで消えている時間は決して短くなかった。それでも準々決勝のイラン戦の延長には圧巻の2ゴール。決勝では、浅野の劇的な決勝弾を浮き球のワンタッチパスで演出。高いテクニックと要所で見せたゴールに絡む活躍で大会MVPを獲得した。
 
 
MF
18 南野拓実(ザルツブルク)
大会成績:4試合・0得点
平均採点:6.00
 
2アシストのみという結果は期待値から考えれば物足りない。初戦の北朝鮮戦など守備での貢献は随所にあったが、重心が下がり過ぎて持ち味を出し切れない試合も。今予選一番と言える動きを見せた準決勝のイラク戦後に、クラブの要請でひと足早くチームを離脱した。
 
MF
14 豊川雄太(岡山)
大会成績:5試合・1得点
平均採点:6.50
 
ハイライトは 準々決勝・イラン戦の延長での劇的な先制弾。フリーランニングの質が高く、多くのパスを呼び込み、相手の足が止まった時のカウンダーは威力を発揮。ただ、予選終盤には負傷でトーンダウン。
 
FW
11 久保裕也(ヤングボーイズ)
大会成績:6試合・3得点
平均採点:6.10
 
自身は「もっと得点を取りたかった」と反省を口にするも、3ゴールをマークし、足もとの技術の高さで前線の基準点としても機能。合格点を与えられるパフォーマンスを見せた。
 
 
FW
16 浅野拓磨 (広島)
大会成績:5試合・2得点
平均採点:6.25
 
勝利の方程式を完成させる“スーパーサブ”として躍動。準決勝のイラク戦まで少なからずチャンスがあっただけに、ゴールは欲しかったが、韓国戦でついに爆発。完全に相手の裏を突いた1点目、相手DFとの駆け引きを制した3点目に、昨季の急成長の跡が窺える。
 
 
FW
9 鈴木武蔵 (新潟)
大会成績:3試合・1得点
平均採点:6.50
 
久保との良好なコンビネーションを築き、五輪出場に貢献。負傷に悩まされるなかでも、グループリーグ第2戦のタイ戦の先制弾、準決勝のイラク戦のアシストと貴重な場面で輝きを放った。
 
 
FW
19 オナイウ阿道(千葉)
大会成績:5試合・0得点
平均採点:5.50
 
空中戦の強さはアタッカー陣随一で、浅野とともに流れを変える切り札となった。決勝では不完全燃焼に終わり前半のみでの交代となったが、まだまだ伸びしろを感じさせる20歳だけに、今後の成長にも大いに期待したい。
 
監督
手倉森誠
平均採点:6.33
 
大会を通じてターンオーバーを採用し、できるだけ多くの選手たちに経験を積ませながら勝ち上がっていった手腕は高く評価できるもの。韓国戦を除けば、しっかりと守備が機能し、まずは「失点しない」割り切った戦い方からリズムを手繰り寄せ、要所での切り札投入といった終盤に勝負を賭けた采配が際立った。